7月の参院選でれいわ新選組から比例代表で初当選した、重度身体障がい者の舩後靖彦氏(61)と木村英子氏(54)が8月1日召集の参院本会議に初登院した。
木村氏は午前9時ごろ、介護サービスの車で国会前に到着。車から降りると、集まった100人近くの支援者や、報道陣に囲まれた。
初登院だったこの日は、参院議員が登院するたびに報道陣が議員を囲んで撮影していたが、木村氏の場合は様子が異なった。
報道陣が到着した車を囲み始めると、支援者らは「障がい者は見世物じゃないから写真は撮るな」と叫び出し、だんだんとヒートアップ。
木村氏の初登院を撮影していた報道陣に対し怒号が飛び、報道陣が写真を撮らないよう記者らの服を掴んだり腕を振り回したりする人が出はじめた。
その後、正門への通路でバリケードのような状態を作って「報道するな!写真を撮るな!」「カメラが入れないようにするんだ」と叫ぶなど、他の議員の登院とは異なり、国会正門前は一時騒然とした状態になった。
スクラム状態のなかで国会正門の前に出ると、木村氏は支援者に向かってあいさつ。
「国会議員になるにあたって、重度障がい者が初めて当選したということで、いくつかの問題に直面しました。参議院の皆さまには迅速に対応していただき、物理的な障害を取り除いていただいて本当に感謝しています」と語った。
続けて、公的な介護サービスを受けられない事態について「私たち障がい者にとって、最も重要な介護の問題が置き去りにされ、国会議員として参加できない事態になりました。私たち障がい者は介護者がいないと生きていけません」と言及。
国会会期中の登院については、参議院が当面、介護費用を負担することになった。それ以外の議員活動については厚労省が負担する。
この措置ついて「私たちが求めてきた介護を必要とする障がい者が、訪問介護サービスを使って就労するということは認められませんでした。改正には時間のかかるこの大きな問題を改善していくために、国会の中で頑張って取り組んでいきたいと思います」と話し、支援者から拍手を受けた。
その後、報道陣からの6年間の活動について意気込みを聞かれ「期待と不安は半々」と答えた。
舩後氏は、木村氏の登院から15分後に正門前で支援者から花束を受け取り、車でそのまま国会内へ。
介助者を介して報道陣の数への驚きを語り「皆さんのご期待に応えられるようにしたい」と伝えた。