吉本ベテラン芸人の大平サブローさん、 若手芸人に憤慨「気に入らんかったら辞めろ」「こいつらふぜいが」

若手芸人が吉本興業への批判を展開したことに「時代が変わった、俺、怖かったわ。こんなこと言うんだ、って」とため息をついた。
大平サブローさんとシルクさん
大平サブローさんとシルクさん
吉本興業公式サイトより

吉本興業所属のお笑い芸人・大平サブローさんと、シルクさんが7月23日、出演したラジオ番組「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」(大阪・MBSラジオ)の生放送で、吉本興業の岡本昭彦社長の5時間超に及ぶ釈明会見について、所属芸人らから会社批判が噴出している状況に憤った。

大平サブローさんは若手芸人らに対し「こいつらふぜいが言うか!」「気に入らんかったらやめろ」と強い口調で苦言を呈し、シルクさんも岡本社長への感謝を述べたうえで「私らも、しょっちゅう言われましたよクビや!って。でも今は子どもも傷つきやすくなっていますからねぇ」と持論を展開した。

大平サブローさんは1980年に吉本興業に入った。「太平サブロー・シロー」として漫才ブームの中核を担ったが、88年に独立。コンビ解散を経てから93年に吉本に戻った。一方のシルクさんも1985年から吉本で活動しているベテラン芸人だ。

番組では序盤、参院選の話題から司会の近藤光史さんが「(いまの政治は)働いている人たちに優しさがない」と語り、続けて「現場で働く人たちに愛情がない」と話した。

するとシルクさんが「ドキ~!吉本のこと言ったんちゃいますね?」と、闇営業問題や岡本社長と芸人の間にくすぶるパワハラ問題で揺れる吉本興業について触れた。

岡本社長に「頑張って」「準備不足だった」とエールを送る

リスナーからの相談を経て、話題は吉本興業の岡本社長の会見騒動に。岡本社長の会見は5時間超に及び、要領を得ない回答を続け、傷口を広げた形となった。

近藤さんは「各マスコミとも編集する場所に困っている。いずれにしろ、5時間もやったら相当なことが分かると思うのですが、はっきり言って何も分からへん。あないに焦点のぼけた記者会見って珍しいと思う」と困惑。

続けて「配下に6000人の芸人を抱える会社の社長が、あんなたどたどしい発言と、聞かれていることと答えがあちゃこちゃ方向が違う」と叱責した。

シルクさんはすかさず「そうですかねぇ」「たぶんね、準備不足ですよねぇ。前の日に言われても…」とフォローしたが、近藤さんは発言にかぶせるように「いや、準備不足じゃないです」とバッサリ。

「あれは、僕らに言わせればピント外れ。わざと外しているのか、もともと外れているのか。何かおかしい」と近藤さんは憤った。

これに対し、シルクさんが「もともと口下手というか」と語り始め、大平サブローさんが「あまり表立ってね、しゃべる人じゃない」と合わせて岡本社長を援護した。

大平サブローさんは、年に1回は食事に行く間柄であると説明し、岡本社長について「彼が(吉本興業に)入った時は、すでに僕は漫才ブームで。そこの位置関係は彼の中にあるから、(食事を共にするときは)背筋まっすぐで、後ろにもたれない。ピンとして。僕が聞くと、誠実に目を見て答える」と、会見の印象とは異なると説明した。

加えて、岡本社長がアメリカンフットボールをやっていた経験などから「体育会系ですからね」と語り「一対一に強くて、複数の前に出るとどうしゃべっていいかが迷う人」とフォローした。

元会長の林裕章氏を引き合いに出し「しゃべると外す。空ぶる。でもとっても可愛らしい人で、とても似ている」などと評し、「きのうの会見は、まどろっこしかった。岡本ちゃん!頑張ってやァ!そんなんちゃうやん、頑張ってやって、いま大事なところやで!」とエールを送っていたことを語った。

近藤さんがこの問題については「好き嫌いは別や」と話すと、年代が違うと芸人同士の「温度が違う」と説明。

岡本社長から飛び出した「ファミリー発言」については「ファミリーっていうのは、僕ら世代までが思っているのかなって感じた」と所感を述べた。

その上で、グダグダになり理路整然と答えられなかった点については「あの弁護士がポンコツだった」。シルクさんも弁護士について「若いしね」と相槌を打った。

加えて、弁護士ではなく、暴力団との関係を告白して引退した島田紳助さんが会見に同席すればうまくいったと持論を展開した。

「テープ録ってないやろうな」は「ギャラあげてほしいんか」と同じ“冗談”

また、話題は脅しともとれる岡本社長の「テープ録ってないやろうな」発言にも及んだ。

大平サブローさんは「『テープ録ってないやろうな』は『ギャラあげてほしいんか。俺とケンカで勝ったらあげたらあ』っていう昭和の時代だったら通じていたこと」と解説した。

シルクさんも「私らも、しょっちゅう言われましたよクビや!って。でも今は子どもも傷つきやすくなっていますからねぇ」と話した。

もともとは宮迫博之さんと田村亮さんらが反社会勢力との会合に“闇営業”に行ったことが発端だったはずが、“会社攻撃”になっていると疑問を呈し、会社側の「静観」発言についても次のように説明した。

「この時代に(反社会勢力との会合に)行ってしまった。それに対して、第4弾、第5弾が出るかもしれない。結論がまだ出ていないのに、君らが清廉潔白ですっていう思いを言う必要はあるのかと、そういう意味」

「昔は良かったということではないが、カーッとなってやったんだと思う。あまりにも岡本さんと彼らに温度差があって、通用しなかったんだろう」

ただ、「若手が会長、社長を怖がるのは当たり前。それは要ると思う」と理解を示し「お笑い界のドン」と呼ばれた吉本興業の元会長、林正之助氏に会ったとき「水戸黄門が現れたような感じだったから」と話した。

「こいつらふぜいで、これを言うか!」「気にいらんかったら辞めろ」

話が盛り上がってくるにつれ、終盤には大平サブローさんもヒートアップ。「時代ってすごいよな」と語り始めた。

シルクさんも畳みかけるように「若手の人が自由なこと言いはるでしょ。こんなん言えなかったですもん」と重ねた。

 大平サブローさんは続けて「若い人、こいつらふぜいで、これを言うか!っていうような発信がいっぱいあるやん」と唖然とした口調に。「気にいらんかったら辞めろ」と訴えた。

シルクさんもさらに「あのね、劇場借りるのにどんだけお金いるか分かってないの!みんな。ほんっとに分かってないから。1000円の入場料とって、満員にしたって、お金もうかれへんから、吉本!」と説明。「今になって、お金かけてくれていたんやなあって分かったから。相方がいなくなっても、1人になっても育ててくれる会社なんですよ」と若手芸人たちを叱責した。

大平サブローさんも「この状況になったとたんに、火山が噴火したみたいに。この状況じゃない時に社長や大崎さんに言いに言っとけ。弱ったん見すごして、急に言い出すやろ」と憤慨。

一方で極楽とんぼ・加藤浩次さんが語ったことについては「加藤君はいろんな思いがあった。腹くくったと思う。これと同じように乗っかって話してるんやけど、他の人は覚悟決めて言ってんのか?」と納得できない口調で続けた。

今回の一連の問題で、次々と不満を噴出させた若手らに「時代が変わった、俺、怖かったわ。こんなこと言うんだ、って」とため息をついた。

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