7月7日は、七夕の日。
七夕生まれの人気飲料「カルピス」の100周年を記念するイベントが、東京都千代田区で開かれている。
「カルピス100th 七夕に会おう展」
旧練成中学校をリノベーションしたアートセンター「3331 Arts Chiyoda」の入口にある階段を上がると、「カルピス100th 七夕に会おう展」の大きな垂れ幕が目に飛び込んでくる。
中に入ると、公園に面した大きな窓ガラス、壁など、あらゆるところにネイビーブルーの水玉模様が広がる。
無数のひらがなが降り注ぐ『ことばの宇宙』
一階のカフェを横目に、まずは無数の「文字」が降り注ぐ空間『ことばの宇宙』へ。
色とりどりのひらがなのシャワーが、言葉にできない美しさ。
どこをどう切り取ってもフォトジェニックだけれど、この展示が真に伝えたいのは「言葉」の奥深さだという。
「七夕は短冊に願い事を書く日、と思っていませんか?SNSの発達で一瞬で『言葉』を届けられる時代だからこそ、大切な人と同じ空間で過ごす意味を感じ、『言葉』や『会う』といった直接のコミュニケーションを見つめ直すきっかけにしてもらいたいです」
アサヒ飲料の佐々木健さんは、企画の意図についてこう説明する。
デジタルな天の川で織姫と彦星を体験
続いて2階の『dot river』へ。
こちらは約1万個の水玉で作られた天の川をイメージしたインタラクティブイルミネーション。
1人1つ渡されたカラフルなボールを持って天の川に見立てたイルミネーションの間を縫うように歩くと、周囲の水玉が手に持ったボールに反応して色を変える。
色が異なるボールを持つ人とすれ違うと、周囲の水玉の光り方が変わってくる。その時、その場だけの色合いに変化したイルミネーションを楽しむことができる。
一緒に訪れた相手とは、同じ色のボールを持って別々の入口から入場する、という変わった趣向も。1年に1度だけ会うことができる織姫と彦星になぞらえた演出だ。
天の川で無事に出会えたら、3カ所あるフォトスポットで写真撮影もできる。
お互いが手にした同じ色のボールをくっつけると、周囲の水玉がカラフルに光り始める。短い光のショーが終わると、天井に仕掛けられたカメラから自動で写真を撮ってくれるというわけだ。
記者も、同僚と一緒にやってみた。
………のだが、タイミングがよく分からず失敗してしまった(その時の動画が上のもの)。
後から写真をダウンロードして確認すると、天の川の中にぽっかりと空いた悲しいスペースが…。
本当はこうなるはずだった…
(一緒に入場した家族やカップルたちは、みんな撮影に成功していた)
コッペパンが人気の1階のカフェでは、期間限定の「カルピスカフェ」がオープンしている。
いつものコッペパンの生地にはカルピスが練り込まれ、バターもカルピスを作るときに出る脂肪分を利用して作られる「カルピス特選バター」を使用。
七夕にちなんだメニューの数々が大人気となっている。
パンは生地から焼いて冷まし、ドリンクは注文を受けてから全て手作りするため、とにかく大混雑。
6日に訪れた際には、「『カルピス』+糀甘酒ブレンド」と「天の川コッペパン」を注文してから受け取るまでに30分以上かかったので、時間に余裕をみて注文した方が良さそうだ。
発酵食品と掛け合わせた飲み方も
「カルピス」は日本初の乳酸菌飲料として1919年7月7日に発売された。
水で薄めて飲んだり、牛乳やアルコールで割ったり。飲み方にバリエーションがあるのが特徴だ。
幼い頃にカルピスを作ってもらったり飲んだりした思い出がある人も多いだろう。
ひな祭りに飲む白酒の代わりに、保育園や幼稚園にカルピスを配る取り組みも1963年から約半世紀に渡って続けているという。
時代を超え、アサヒ飲料では、最近はカルピスと発酵食品をブレンドした新しい飲み方も提案している。
カルピス自体も、乳酸菌と酵母から成るカルピス菌を二段階で発酵させたもの。
イベントの「カルピスカフェ」でも、ビールや糀甘酒、もろみ酢、ヨーグルトとカルピスを掛け合わせたドリンクを販売している。甘酸っぱい味わいが、夏にぴったりだ。
アサヒ飲料の佐々木さんは「次の100年も、カルピスがみんなのコミュニケーションのきっかけになれば嬉しい」と話している。
「 カルピス100th 七夕に会おう展」
7月14日まで(「ことばの宇宙」は7日まで)。
開館時間は午前11時~午後8時。「dot river」の最終体験受付時間は19時45分で、混雑時には整理券を配布する。
カフェのラストオーダーは、フードが午後7時、ドリンクが午後7時半。