楢崎智亜選手がW杯ボルダリングで総合優勝、女子も野口啓代選手が総合2位と躍進!壁をよじ登る姿がかっこよすぎる…

緒方良行選手(神奈川大)もW杯初勝利を遂げました。
 IFSCクライミングW杯男子ボルダリング決勝大会に出場した楢崎選手=2019年4月6日、スイス・マイリンゲン
IFSCクライミングW杯男子ボルダリング決勝大会に出場した楢崎選手=2019年4月6日、スイス・マイリンゲン
EPA=時事

スポーツクライミングの種目の1つ、ボルダリングの今シーズンのワールドカップで、日本のエース楢崎智亜選手が2016年以来2度目の総合優勝を果たした。

アメリカ・コロラド州ベイルで開催されたスポーツクライミングのワールドカップ(W杯)で6月8日にあった、ボルダリング最終戦(第6戦)の決勝。

男子は楢崎智亜選手(TEAM au)が2位に入り、シーズン総合優勝となり、女子は野口啓代選手(TEAM au)が2位、種目別総合でも2位についた。 

ワールドカップ方式では、それぞれの大会での成績をシーズンを通して加算し、総合順位が決まる。

(ワールドカップのベイル大会を前に日本での最後の練習に励む楢崎選手)

 (ワールドカップのベイル大会で活躍する野口選手)

2020年の東京で初めてオリンピックの正式競技となるスポーツクライミング。

今シーズンは、2020年東京五輪の代表権がかかる8月の世界選手権(東京都八王子市)に焦点を合わせるために、W杯にフル参戦していなかった楢崎智亜選手だが、確実に順位が安定してきたようだ。

緒方良行選手(神奈川大)もW杯初勝利

楢崎智亜選手や野口啓代選手のほかにも、ボルダリング大国とも言われる日本勢が男女ともに大躍進している。

スポーツクライミングのうち、ルートの異なる壁をいくつ登り切ったのかを競うのがボルダリングだ。

今大会では、楢崎選手が4つのうち3つを登って2位に。そしてただ1人、4つすべてを登り切った神奈川大の緒方良行選手がワールドカップでの初優勝を果たし、総合でも3位に入った。

女子は野中生萌選手(XFLAG)がこの試合で4位、中村真緒選手(青山学院大)が6位と健闘した。

女子の総合優勝は、2018年の世界選手権で優勝したスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手。今シーズンのボルダリングではワールドカップ6大会すべてを制し、他を圧倒した。

人気急上昇中のボルダリング、スポーツクライミングってどんな競技?

2020年の東京からオリンピック正式種目になるスポーツクライミングとは、どんな競技なのか。 

スポーツクライミングは、1989年に始まったワールドカップが初の国際大会だった。国際大会の開始からまだ30年ほどしか経っていない歴史の浅い競技だ。

世界選手権は1991年にスタートしている。

国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が認定するスポーツクライミングの公式種目は「ボルダリング」「リード」「スピード」の3つがある。

反り立つ岩場のような人工壁を、ホール度と呼ばれる突起物に手や足を掛けながら登っていく。

「ボルダリング」は、ルートの異なる壁をいくつ登れたのかを競う。「リード」は到達した高さ、「スピード」は登った時間で勝負する。

東京オリンピックでは、1人の選手がボルダリング・リード・スピードすべてをこなし、総合成績で順位を決める「複合競技(コンバインド)」で競われる。

日本勢は楢崎選手や野口選手を筆頭に、ボルダリングやリードでは世界トップクラス。競技人口も増え始め、国内でも注目度が上がっている。 

 一方、スピードは国内競技施設の整備が遅れるなど、日本選手でも苦手とする選手は多い。

2018年のアジア大会で初代アジア女王に輝いた野口選手も「やっぱりスピード。9秒台に近いタイムを出さないと、自信を持って世界とは戦えないと思う」語り、スピード競技への課題をあげていた。

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