北陸電力の粋な計らいに、ネット上で注目が集まっている。
4月下旬、国の特別天然記念物「コウノトリ」のカップルが、福井県坂井市内の高さ14メートルの電柱に巣を作った。「巣を残してほしい」という周辺住民の声を受けて、北陸電力は4月23日、集落一帯を一時停電にして、この電柱の電線に送電されないようにした。
北陸電力は5月9日、公式Twitterに写真をアップ。「ヒナの誕生を期待し、今後も見守り対応を継続します」と報告した。
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北陸電力・福井支社によると、このコウノトリは3月上旬から福井市や坂井市の約40カ所の電柱に巣を作りかけたが、「コウノトリの感電やけが、停電の恐れがある」との理由で、巣を撤去していた。今回は地元からの要望があったほか、別の電柱に変圧器を設置できたことから、巣を残すことにしたという。
福井県・自然環境課によると、親鳥が卵を抱く行動が本格的に始まったみられることから産卵した可能性が高いとみられ、うまくいけば5月下旬に孵化する。
5月10日現在、越前市でも別のつがいによる産卵が確認されている。これらの卵が無事に孵化すれば、同県では55年ぶりの野外繁殖になるという。