フランス・パリの中心部にあるノートルダム大聖堂で15日午後7時ごろ(現地時間)、火災が発生。教会の尖塔などが燃え落ちる大きな被害をもたらした。
人々に愛されたその美しい教会は、聖母マリアに捧げられ建設されたものだ。
パリの人々は、その塔が焼け落ちる様子をじっと見守りながら、聖歌「アヴェ・マリア」を歌い、祈りを捧げ続けている。
AFP通信などによると、火災が発生したのは、一般公開の時間が終わったすぐ後だった。現在行われていた改修工事による火災の可能性があるという。
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広場には多くの観光客や市民がいたが、火は屋根のあたりを中心にあっという間に燃え広がった。午後11時(現地時間)段階でもまだ完全には鎮火していない。
「ノートルダム」とは「我らの貴婦人」。つまり、キリスト教の聖母マリアを意味している。
12世紀半ばに建設が始まった大聖堂は、およそ170年をかけて1330年ごろに完成した。パリの司教座が置かれるなど、フランスのキリスト教会の中心的な地位にあった。
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しかし、フランス革命中には、反キリスト教運動によって、破壊と略奪が繰り返され荒廃。その後、帝政を宣言したナポレオン・ボナパルトの戴冠式が1804年に行われたのも、このノートルダム大聖堂だった。
ヴィクトル・ユーゴーの名作『ノートルダム・ド・パリ』の出版をきっかけに、国民的な修復運動が広がり、1846年に全体の修復が完了、その美しい姿を取り戻した。
1991年にユネスコ世界遺産に指定され、世界中から年間1200万人が訪れる観光地となっている。
2015年にはパリ同時多発テロ事件の追悼ミサが開かれた。東日本大震災でも、2012年に犠牲者を悼む祈りが捧げられた。
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