国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4月10日、『死刑統計2018』を発表した。それによると、2018年の世界における死刑執行数は30%以上減少し、同団体が調査をした過去10年の間で最も低い数字となったことが明らかになった。
2018年に死刑執行数が最も多かった国は中国で、次いでイラン・サウジアラビア・ベトナム・イラクと続いた。
中国では死刑執行に関する情報が国家機密とされており、統計には中国での死刑執行数は反映されていない。アムネスティは、中国では「数千人に死刑判決が下され、執行されている」との見解を示している。
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報告では、世界的な傾向として死刑の数は減少しているが、日本をはじめ、ベラルーシ・シンガポール・南スーダン・アメリカでは増加していることも言及された。
■日本の現状は?
アムネスティ日本によると、2018年の日本での死刑の執行は15件で、2008年と並んで、統計として示された2006年からのデータのうちで最も多かった。15件のうち13件はオウム真理教の元信者で、1995年に起きた地下鉄サリン事件の計画や実行に携わった者であった。
また「精神障がいや知的障がい者数人に対する死刑判決が維持されている」ことにも言及し、国際法・国際基準に違反していると指摘している。
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日本では、2017年、2018年と2年連続で再審請求中の死刑確定者の死刑が実行されたが、朝日新聞デジタルによれば、このような再審請求中の死刑執行は、日本国憲法に明記されている『裁判を受ける権利』を侵害するとの見方があり、この段階における死刑執行の是非は、現在も議論となっている。