Twitter上に人が刃物で刺されたとして動画を投稿し、「犯人が捕まってない」などとうその書き込みをしたとして警視庁は4月8日、20代の男女4人を軽犯罪法違反(虚偽申告)の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
送検容疑は3月15日、人が倒れこむような動画と、「ナイフか何かの刃物で刺されたみたいです。犯人はまだ捕まっていません」などといううその書き込みをTwitterに投稿したというもの。
どんな内容?
動画には、暗闇に男性とみられる2人が映り込んでおり、向かい合っていたが1人がアタックするような動きを見せた後、1人が倒れこんでもう一人が逃げるという1分ほどの内容が撮影されていた。
投稿は翌16日には3800回以上リツイートされた。しばらくして削除されたが、投稿してから少なくとも翌日までは放置されていた。
投稿では、犯人を見つけるためと称して「この動画拡散してください」「場所は町田市です」とも書き込まれていた。
続くツイートでは、争いの内容などを伝え「私たちが見ていることしか出来なかったのが後悔です」 と書いたり「犯人に顔など見られてないかとても不安です」と不安めいた心情を投稿したりし、“犯人の特徴”も丁寧に説明していた。
動画を投稿し、拡散を呼び掛けたアカウントは後日、投稿がフェイクだったことを告白。
続くツイートでは動画作成者からの「お詫びらしいです」とさらに動画を付け加えた。
フェイク動画を作ったとする別のアカウントは、4月1日に「炎上の件について怖がってしまったかた、迷惑をかけてしまったかた、心配をかけてしまったかたへ」として、動画で謝罪した。
軽犯罪法ってどんな罪に問われるの?
今回、書類送検された容疑は軽犯罪法違反。その中でも虚偽申告では、「虚構の犯罪または災害の事実を公務員に申し出た」場合、拘留や科料に処される。
フェイク拡散、過去にも逮捕者
いままでにも、こうしたフェイク投稿をしたことによる逮捕者が出ている。
2016年には、熊本地震の直後に「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマ情報をTwitterに投稿し、動物園の業務を妨害したとして、神奈川県に住む当時20歳の会社員の男が逮捕された。
また、震災などの緊急事態に乗じたデマ以外にも、有名人のアカウント作成デマや、Twitter上の新サービスがあるかのようなデマなどが拡散されている。
業務妨害や混乱が起きた場合にはTwitter社や警察などが注意を呼び掛けているが、Twitter上で冗談を助長する「ネタ文化」が根強くあり、気軽にデマを投稿するアカウントは後を絶たない。