男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントの会場として有名なアメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブが、86年の歴史で初めて、女子大会の会場となった。
4月6日に最終日を迎えたオーガスタ・ナショナル女子アマチュアゴルフ選手権。72人の選手が挑んだ。
日本からただ1人参加した18歳の安田祐香選手が、通算3位タイに入る快挙を成し遂げた。
優勝は世界アマチュアランキング1位のJennifer Kupcho
オーガスタで初の女王となったのは、アメリカのJennifer Kupcho選手。
現在世界アマチュアランキング1位の彼女は、最終日を5アンダー67をマークし、通算10アンダーで圧倒。2位のMaria Fassi選手(メキシコ)は4打差の通算6アンダーだった。
安田選手は、4バーディー、4ボギーで72をマークし、通算2アンダーでフィニッシュした。
優勝者にはこの大会の5年間の出場資格のほか、2019年の「全米女子オープン」「全英女子オープン」などの出場権が与えられる。
名門ゴルフクラブ、しかし会員資格も長らく男性のみだった
今大会、最初の2日間36ホールは、近くにあるチャンピオンズ・リトリート・ゴルフクラブで行われた。
決勝に進出した上位30位までの選手が、最終日の18ホールをマスターズの会場である「オーガスタ」の土を踏んだ。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、1933年に開場。世界のゴルフファン憧れの場所であり、翌34年に始まったマスターズ・トーナメントでは数々の名シーンを生み出してきた。
だが長らく会員資格は男性にしか与えられず、2002年には全米女性評議会などから大きな批判を受け、2003、04年にはマスターズのTV中継はCMなしでの放送となった。
ただその後も大会は男子ゴルフでしか使われておらず、2019年4月のこの大会は、歴史に残る初の女子大会となった。
マスターズの名シーンを生み出してきたオーガスタ
マスターズの出場選手は、前年度のメジャー優勝者や賞金ランキング上位者など、招待される資格を持つ“マスター”たち。オーガスタはビッグネームが集う「ゴルフの祭典」をする会場として世界から最も注目を浴びる会場といっても過言ではない。
マスターズでの最多優勝記録は、ゴールデンベアの愛称で親しまれるジャック・ニクラスの6回。
当時46歳でピークを過ぎたと言われていた1986年、息子をキャディにつけて登場したジャックが、最終日に65を叩きだしパターを高く掲げて逆転優勝した「帝王帰還」のシーンは、全ゴルフファンの記憶に残るところ。
弱冠21歳のタイガー・ウッズが1997年に優勝した際は、タイガー時代の到来を知らしめた。
4月11日から開かれる2019年のマスターズでは、日本勢から4人が出場する
2018年日本ツアー賞金王となった今平周吾選手が特別招待枠で初出場。松山英樹選手は6年連続8回目。小平智選手は2018年に続き2度目の切符を手にした。
このほか、アジアパシフィックアマチュア選手権を制した東北福祉大の金谷拓実選手が、アマチュアとして参戦する。
日本人アマが出場するのは2012年の松山英樹選手以来だ。