東京・日本橋に「泊まれる茶室」が誕生した。
株式会社SENが運営する「禅」をテーマとしたカプセルホテル『hotel zen tokyo(ホテル・ゼン・トーキョー)』が、2019年3月22日にオープンした。
hotel zen tokyoの客室は、「泊まれる茶室」をコンセプトに作られている。16世紀後半に千利休が作った茶室「待庵」を、SENの代表取締役で建築家の各務太郎が21世紀型に再解釈してデザインした。
日本人が古くから大切にしてきた「禅」をテーマにしたカプセルホテルは、これまでに類を見ない。
人形町駅から徒歩1分と、アクセスのしやすさも魅力だ。オープンからまもないが、ビジネスマンをはじめ、外国人観光客からも好評で、すでに予約が多く入っているという。
「泊まれる茶室」をなぜ高級ホテルではなく、あえてカプセルホテルに作り出したのか?SENの代表取締役で建築家の各務太郎さんに聞いた。
━━なぜカプセルホテルに茶室を再現したのでしょうか?
1970年代から、カプセルホテルは日本特有の宿泊のかたちでした。
外国人観光客の増加に伴って宿泊体験が彼らに注目をされる中で、茶室ような”とても狭いけど心が落ち着き、豊かになるような空間”は日本文化を発信するきっかけの1つにもなると考えました。
━━「禅」をテーマにしていますが、その理由は?
近年、禅は「ZEN」として日本の文化に興味をもつ海外の人々にも人気が高まっています。禅は多くの日本文化のルーツになっているので、文化を感じてもらう上で、最も適したテーマだと考えました。
━━宿泊者層の主なターゲットは?
オープン前は、空港へのアクセスの良さからビジネスマンや外国人観光客を想定していましたが、その需要に加えて、女性のお客様がお一人で宿泊されたり、女性からの予約や問い合わせも意外にも多いという印象です。
その理由はおそらく、カプセルホテルだからといって機能面だけを重視するのではなく、デザイン性に力を入れたことと、女性専門エリアを設けてアメニティなども充実させたことが大きいと見ています。
━━今後の展開は?
日本橋にオープンしてばかりですが、今後は新たな場所にカプセルホテルを展開していくことを考えていきたいと考えています。
客室タイプは全部で5種類で、カプセル型と個室型に分かれている。5つのフロアのうち、2つは女性専用となっている。