ベルギーの小便小僧、1日1000~2500Lの飲料水を無駄に使っていたことが判明⇒循環式にリフォーム

400年にわたり知られていなかった衝撃の事実
ベルギーの小便小僧
ベルギーの小便小僧
LUke1138 via Getty Images

毎年何万人もの観光客を楽しませているベルギー・ブリュッセルにある小便小僧。

最初の像が建てられてからちょうど400周年となる節目の年に、衝撃の新事実が発覚した。

なんと、小便小僧が放出していた「水」は、清潔な飲料水で、しかも1日1000~2500リットルを無駄に垂れ流していたのだ。イギリスの大手新聞ガーディアンなどが報じた。

400年後、ついに環境にやさしいエコ循環方式に

小便小僧は長年、水を循環させていると考えられていた。

これに疑問を持ったエネルギー技術者のレジス・カレンズさんは、小便小僧がどのくらいの水を使っているのか、水道メーターを取り付けて調査。

その結果、小便小僧は大量の清潔な飲料水を無駄遣いしていたことが分かったのだ。10世帯が使うのに十分すぎるほどの量が下水に消えていた。

計算するとこの400年の間に、2億5000万リットルを使っていたことになる。もはや天文学的な数字で想像がつきにくい。

 カレンズさんは、2018年の終わりごろ、この事実に気が付いた。フランスの新聞La Derniere Heureのインタビューに「小便小僧が出す水は閉鎖的な循環システムで、彼が何も消費していないと思われてきた。400年にわたって誰も注意を払ってこなかったんだ」と話した。

地元紙ブリュッセルタイムズによると、3月中旬、この調査結果を受けて循環式にリフォームする工事が行われた。

ちょうどこの時期は「ブリュッセル水週間」であり、3月22日は世界水の日でもあった。

ベルギーの環境政党エコロに所属する市議会議員ブノワ・へリングスさんは「水週間の真っ只中に、400年かけて小便小僧がもう飲料水を浪費しなくなったと言えることを誇りに思います」と語った。

小便小僧って?バロック彫刻家の名作、放尿するのはレプリカ像

世界各地にある小便小僧。だが、オリジナルはブリュッセルにある像だ。地元では「ジュリアン坊や」の愛称で親しまれている。

13世紀ごろから、ブリュッセルの水場として重宝されていた場所だが、現在のものは1619年にジェローム・デュケノワというフランス人彫刻家が制作した。

また、ブリュッセル市庁舎で水を流し続けていた小便小僧はレプリカだ。

これまでに2度の盗難にあっており、盗難防止のため1960年代にオリジナルはブリュッセル市立博物館に収蔵された。

ベルギーの小便小僧は衣装持ちとしても有名で、彼のクローゼット代わりになっている「小便小僧の衣装ミュージアム(GardeRobe MannekenPis)」では、世界中から贈られた数百種類の服が並んでいる。 

ミュージアムに並べられた小便小僧の衣装
ミュージアムに並べられた小便小僧の衣装
AFP

 博物館のパンフレットよると、現存する最古の衣装は、1747年にフランスの国王ルイ15世が贈ったもの。フランスの兵士が、この像を盗もうとした事件を受けて、謝罪の意を込めて貴族の衣装が進呈されたという。

国家的な記念日や、特別な機会に服を着ることがあるが、なんとブリュッセル市には「公式着付け係」が1756年からいる。

市街地にあった爆弾の導火線を小便で消したとか、敵の兵士に向かって小便をかけたなど由来には諸説ある。

また、近くには「小便少女」の像も設置されている。

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