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「みんなが喜ぶものを、オーダーメイドでつくる」DeNAが、企業との関わりで大事にしていること

「どうすれば成功するかはそこに関わる人次第。だからこそこの仕事は面白いんです」
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 大手ゲーム企業との協業によるスマートフォンアプリ。日産自動車と進める、無人運転車両による交通サービス『Easy Ride』。AI×創薬の実証実験など、次々と新たな事業を仕掛ける、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)。様々な有力企業とともに事業を創出していく上で、キーとなるのが事業開発・アライアンス獲得を担う、渉外統括本部の存在だ。今回は本部長の渡辺 圭吾さんにお話を伺った。「ビジネスアライアンスには正解がないし、どうすれば成功するかはそこに関わる人次第。だからこそこの仕事は面白いんです」渡辺さんは、DeNAの「渉外」の魅力をこう語ってくれた。

新規事業への先行投資を加速させる

いま、DeNAが次々と新規事業を立ち上げている。

実際に2014年以降だけでも、メンバーからの発案により約40の新サービスが誕生(*1)。さらにはオートモーティブ、ヘルスケア、ソーシャルLIVE...と事業領域を次々広げる。

2018年度には数十億円が新規事業の投資に充てられ、今後の事業展開にも関心が集まる(*2)。

こういった中で注目したいのが、様々な企業とのアライアンス締結の動き。たとえば、2016年には任天堂との業務・資本提携を発表し、世間を賑わせた。

さらに2018年に入ってからは、日産自動車と無人運転車両の実証実験を開始。また、旭化成ファーマ・塩野義製薬といった企業と、AI創薬に関する共同研究も進めている。

″ゲーム事業と並ぶ、新たな柱を”

背景にあるのはこういった想いだ。

「各領域の実績ある企業さんとともに、他に類をみない事業を創っていきたい。そのためのビジネス開発やアライアンスを推進していくのが、私たちの役割です」

 2018年3月より、日産自動車とDeNAは無人運転車両を活用した交通サービス 「EasyENJAPAN2018年3月より、日産自動車とDeNAは無人運転車両を活用した交通サービス 「Easy Ride」の実証実験を開始した。主力のゲーム事業に加え、Eコマース、エンタメ、スポーツ、ヘルスケア、オートモーティブ等、多様な事業を展開する。
2018年3月より、日産自動車とDeNAは無人運転車両を活用した交通サービス 「Easy
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2018年3月より、日産自動車とDeNAは無人運転車両を活用した交通サービス 「Easy Ride」の実証実験を開始した。主力のゲーム事業に加え、Eコマース、エンタメ、スポーツ、ヘルスケア、オートモーティブ等、多様な事業を展開する。
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オーダーメイドで作られる、DeNAのビジネス

「この数年でDeNAは事業領域を広げてきました。ゲームエンタメ事業、オートモーティブ事業、ヘルスケア事業、ソーシャルLIVE事業...そのほとんどが有力な企業との協業ベース。全てではありませんが、様々な形で関わって参りました。」

渡辺さんは、そういった中で渉外統括本部が担う役割を分かりやすく語ってくれた。

「たとえばゲームで言えば、大手ゲームパブリッシャーや出版社さんといった相手方との協業を推進していきます。実際にここから、世界的に有名なキャラクターを用いたビッグタイトルが生まれている」

さらに、渉外統括本部にボールが渡されるタイミングは様々だという。外部との接点から生まれる話もあれば、各事業部から依頼されて交渉から関わっていくケースも。

「どのビジネスアライアンスにも、決まった正解があるわけではありません。事業パートナーとなる相手方、ユーザーさん、そして自社。その全員が喜ぶものを、1個ずつオーダーメイドで作っていく感覚です。とても地道な活動もありますし、交渉に数年を要すことも少なくない。だからこそ、当初は組んでいただけないと思っていた会社さんとのアライアンスが決まった瞬間。そしてサービスリリース後、事業として意味のある数字が出た時は、”自分の仕事が身を結んだ” と、言葉にできない喜びを感じます」

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AIをはじめ、技術力の高さが強みに

DeNAの渉外力の強さは、度々語られることも多い。

そのベースにあるもの、その大きな一つが、AIをはじめとした技術力と言えそうだ。

「今は各領域で、デジタルトランスフォーメーションが進んでいる。だからこそ、どの産業の企業さんともお話がしやすくなってきている、という現状もあります。特にDeNAには、高いレベルのAI人材が集まっている。AI人材が集う専門部署には、データサイエンティストの世界競技のトップランカーもいるほどです(*3)。相手方にとって、新たな事業の可能性をお伝えできるというのは、大きな強みになっていると言えるでしょう」

そしてもう一つ、DeNAの武器になっているのが、そのスピード感だ。

「スピードは最も重視している部分とも言えるかもしれません。仮に途中で壁にぶつかったとしても、その場で軌道修正をしながら推進していく。時には当初の計画から脇道にそれることもあるのですが、その結果、新しい観点が得られてディールの精度が上がることも少なくありません」

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関わる人、すべてがハッピーになれるアライアンスを

次に語ってくれたのが、ビジネスアライアンスを進める上で大事なこと。

「そのアライアンスが成功するか失敗するかは、当社も相手方も、誰もわからない。ある意味、相手方にとって賭けと言えるのかもしれません。そういった中で相手方に信頼していただき ”やってみよう” と言って頂くことが求められる。だからこそロジックだけでなく ”一緒に事業をやっていきたい” という想いを毎回真剣に伝えています」

相手の置かれた状況を鑑みた上で、想いをぶつけて共有していく。それは社外に対してだけでなく、開発チームやマーケティング、法務といった社内に対しても変わらないという。

「何か一つでも不信感が生まれてしまえば、良い関係を続けることもビジネスを創ることも難しい。だからこそ、何かを隠すことはありませんし、最終着地する前にDeNA側の今後先方と長く付き合っていくであろう、各事業の担当者も前に出すようにしています。人で信用していただけた部分も大きいと考えています」

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やりきった先にどんな未来が待っているか。それが楽しみで仕方がない

実は渡辺さんは、DeNAの出戻り社員でもある。

「『Mobage』がまだない2002年に入社し、当時あった事業のアライアンス業務に一通り携わってきました。その中でも幾つかの成功体験を積むことができた。今思えば、そこで ”やりきった” と感じてしまったのかもしれません」

そして、広告会社に転職。次の環境でも人に恵まれ、面白い仕事に携われている実感を持つことができた。

しかし改めて外からDeNAのスピード感を見たことで、そこにあるチャレンジングな環境を再実感することに。そして、DeNAの扉を再び叩くことになる。

「DeNAの場合、目標への道のりも全て個人に委ねられる風土がある。その分、自ら120%のストレッチ目標を掲げれば、積める経験も多いですよね。それに、試行錯誤して回り道をする中でしか掴めないものもある。もちろん、たくさん失敗もします。しかしそれも後から見れば自分にとっての成長機会になっていると思うんです」

そして最後に語ってくれたのが、渡辺さん自身の仕事観について。

「あえて ”◯年後こうなっていたい” という理想像は作らないようにしています。そうすることで、自分の成長の幅や在り方を自分で決めてしまうことにもなりえる。一日一日、自身やメンバーの成長を感じながらやりきるだけ。その先、最終的にどういった人間になっているのか?もしかしたら、それが楽しみで仕事をしているのかもしれません」

【プロフィール】

渡辺 圭吾(わたなべ けいご)

DeNA執行役員兼、渉外統括本部長。大学卒業後、製薬会社を経て2002年3月にDeNAに入社。アライアンス業務全般を担った後、広告会社に転職。そして2007年、再入社した。その後広告事業の営業統括などを経て、2014年4月より現職。全事業におけるビジネス開発、及びアライアンス推進に従事する。

特別連載【FUTURE】

ドローンやVR、キャッシュレス化、仮想通貨・ブロックチェーン技術...目まぐるしく変化する時代において、それぞれの企業が未来に向けて仕掛ける新規事業・サービスに焦点をあてていく特集連載です。日本を代表する大手企業からベンチャーまで。イノベーティブなプロジェクトのリーダーを取材し、事業の狙い&ビジョンに迫ります。

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