【Update】ワシントンポスト紙 コービー・ブライアント氏のレイプ疑惑をツイートした記者の停職処分➡︎解除

処分を撤回するよう求める記者らからの声明が発表され、その後処分は解除された。
ワシントンポスト本社
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ERIC BARADAT via Getty Images

【Update】

ヘリコプター事故で死亡したNBAの元スター選手、コービー・ブライアントさんをめぐり、彼の過去のレイプ疑惑の記事をツイートしたワシントンポスト記者が停職処分になっていた件で、記者らが処分の批判や撤回を求め、1月28日(現地時間)に処分が解除された。

ワシントンポスト紙のマネージング・エディターであるトレイシー・グラント氏は声明で、ブライアントさんの死の直後に発信されたフェリシア・ソンメズ記者のツイートは「悪いタイミング」だったという姿勢は保ちながらも、彼女が「明確で直接的に弊社のソーシャルメディア規定を違反してはいない」と述べた。

声明には、ソンメズ記者がすでに仕事に復帰しているかは明確に記載されていなかったが、ニューヨークタイムズ紙のメディア・リポーターであるレイチェル・エイブラムス氏によると、ソンメズ記者の停職処分は取り消されたという。

ワシントンポスト紙のスタッフに送られた社内メールで、グラント氏は、同社のソーシャルメディアは2011年からのもので、「アップデートする必要がある」とし、「その過程を昨年末から始めているので、ぜひ意見を聞かせてほしい」と述べた。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

【これまでの内容】:1月28日 18:58掲載

ヘリコプター事故で死亡した、米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、コービー・ブライアントさんをめぐり、ワシントンポスト紙の記者が1月26日、ブライアントさんの過去のレイプ疑惑を報じる記事をツイートした。ツイートには批判が殺到し、ワシントンポストは記者を停職処分したが、ワシントンポストの他の記者らが処分を批判し、撤回を求める騒動になっている。

問題のツイートをしたのはワシントンポストの国政担当のフェリシア・ソンメズ記者。ブライアントさんの訃報の数時間後に、ブライアントさんのレイプ疑惑に関する2016年の記事リンクをツイートした。ブライアントさんは2003年にレイプ容疑で刑事訴追されたが、被害を訴えていた女性側が2004年に訴訟を取り下げていた。

これに対して、Twitterユーザーから批判が殺到。ワシントンポストによると、ソンメズ記者は、1万人から非難や脅迫のコメントやメールを受けとったと主張した。さらに、「著名人は、たとえ愛されるものでも、動揺させるものであっても、すべてが記憶されるべきである」とツイートした。

CNNによると、ソンメズ記者はさらに、非難や脅迫の内容があったとして、自身のメールの受信箱のスクリーンショットを投稿。その中には、送信者の名前が含まれていたという。

コービー・ブライアントさん
コービー・ブライアントさん
EPA=時事

CNNによると、ワシントンポストの執行部は27日、ソンメズ記者の言動に対し、「一連のツイートが弊社のソーシャルメディアポリシーに反していないか判断する間、記者を停職処分とする」とした。ソンメズ記者の一連のツイートは削除されている。

これに対して、ワシントンポストの社内外から異論が上がった。

ニューヨークタイムズ紙のソーシャル戦略エディターは「これは所属のジャーナリストを脅かす恐るべきやり口だ」と批判。ニューヨークマガジン誌のワシントン駐在記者は、「報道機関はジャーナリストを守るべきだ」と訴えた。

this is a horrifying way to treat your journalists. at best it’s willfully ignorant about how online harassment works, which no news organization has a single excuse to behttps://t.co/9CK4LKIHk6 pic.twitter.com/l6ANCfA3Gc

— Anushka Patil (@anushkapatil) January 27, 2020

News organizations should protect their journalists, not acquiesce to the mob when it comes for them. The Washington Post not only failed Felicia Sonmez, but set a dangerous precedent.

— Olivia Nuzzi (@Olivianuzzi) January 27, 2020

ワシントンポストのオピニオン面にも、処分を批判する記事が掲載されたほか、ワシントンポストの有志が、記者の処分を決めた執行部を批判する声明を発表。声明では、ソンメズ記者自身が性犯罪の被害者でもあることにも触れ、「勇敢にも2年前の自身の被害を伝えてきたサバイバーである」、「当時彼女を攻撃する数々の記事が発表されたときに、ワシントンポストはソンメズ記者を守る声明を発表しなかった」とも指摘した。

この声明には1月28日時点で300人を超えるワシントンポストの記者らが賛同している。CNNによると、ワシントンポストは有志から処分撤回を求める声明が発表されたことについてコメントしていない。

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