Twitterが新しい種類のツイート「Fleet」のテストを始めました。
フリートは通常のツイートと違い、投稿してから24時間で自動的に消えることが特徴。
リツイートやLikeができず、埋め込みや固定リンクもないことからフォロワー以外に伝わりにくく、返信は公開のツリーではなくDMとして続くといった違いがあります(DMがつながらない相手からのリプはつかない)。
Fleet は動詞で「はかなく消える、素早く去る」といった意味。通常のツイートは消さない限りずっと残り、いつ誰が発掘してどう話題にされるか炎上するか分からないため、その場の思いつきや気分などを投稿するのは怖い、抵抗があるという人もいます (一切ない人も大勢いますが)。
対する Fleetは共有できないことからフォロワー以外の目に触れにくく、その時々の気分や思いつきを表現しやすくなります。要はInstagramのストーリー的なもの。
短期間で消えることから、表示される場所も通常のタイムラインではなく、Instagramのストーリーのように画面上部に並びます。その時々の気分や状態を示す意味で、いわゆるステータスメッセージに近い役割でもあります。
リツイートやリンク、コメント付き引用やLikeができないため、自分のフォロワー以外に表示されることもリプライがぶらさがることもありませんが、厳密に限定公開というわけでもなく、アカウントのプロフィール画面を見られる相手ならばフリートを見に来ることもできます。(そもそも鍵付きでないかぎりフォローされることは止められないため、非公開の内容をやりとりする手段ではありません)。
リツイートやリンクができないとはいえ、スクリーンショットを撮影すれば「共有」できるともいえますが、それはプライベートなDMでも鍵付きでも同じ。さらに言えば、全く身に覚えがない捏造でも「この人が消した / フリートしていました」と拡散できるのと同じことです。
フリートへの返信はDMにつながるため、DMのやりとりができるフォロー / フォロワー関係でないと直接のリプライはできません。DMを公開していれば、フォローしていない相手からもフリートへの返信を受け取れます。
現在フリートが使えるのはブラジルのTwitterアプリユーザーのみ。ブラジルは友人知人とのおしゃべり的な用途にTwitterを使うユーザーが多いことから、もっと気軽な連絡や公開独り言を促進するための実験として導入されました。
今後フリート実験の範囲が拡大されるのか、正式な機能として導入されるのか、されるとしてどんな仕様になるのかはまだこれから。
ツイッターといえば、今ではサービスに不可欠な基本要素として最初から存在していたように思われている機能であっても、かつて新機能として加わった際にはこれでツイッターの良さが失われる、Twitter社員には「ツイッターの本質」が見えていない、もはやTwitterは死んだと批判されることの繰り返しで現在のかたちになりました。
ツイッター社に「ツイッターの本質」が分かっているかいないかはさておき、時限消滅式メッセージを導入する他社サービスのユーザーにもTwitterを使って欲しい、使い続けて欲しいのは確かなようです。
(2020年3月5日Engadget 日本版「Twitter、24時間で消えるツイート「フリート」をテスト。RTやリンク不可、返信はDM」より転載)
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