コロナ禍で性生活はどう変わった?実態調査してみた

860名からの回答を基に、コロナ禍でのセックスやマスターベーションの変化や悩みをみてみよう。
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新型コロナウイルス感染拡大後、外出自粛をしていて性生活がガラッと変わったという人も多いのではないか。

セックスやマスターベーションが実際どう変わったのか?を調査してみたところ、大きな反響があり、800名以上の回答が集まった。

性生活自体に変化があったという方は予想通り多数いたが、性についての価値観が変わった、という人もいるようだ。    

人々は今セックスしているの?

特定のパートナーがいる人は今、新型コロナウイルス感染を考慮してセックスも自粛しているのだろうか。

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パートナーと同居している場合、セックスの回数に変化なし、と答えた人が大多数だが、回数が増えた人は22%。一方、一緒にいる時間は長いものの、「一緒にいすぎて逆にセックスの回数が減った」などの回答もあった。

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同居していないカップルでは49%がセックスの頻度が減ったと答えた。頻度は人それぞれで、「3月中旬から一度もセックスしていない」という人もいれば、「月に1、2回ならいいかなと思っている」という回答もあった。

セックスの回数が減ったというのはネガティブにとらえられることが多いが、必ずしも悪いことではないように思う。「外出自粛でゆったりした生活を送っていると不思議と性欲への執着がなくなった。それにより自分自身に向きあう時間が増えた」という意見もあった。

セックスの頻度が減ったという人は、あまりネガティブにとらえすぎずに、むしろ「あなたにとってセックスは必要なものなのか?」を考えるきっかけにしてもいいのかもしれない。

次に、外出自粛中のセックスの悩みをみてみよう。

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セックスの悩み①

会えないからセックスできない→オンラインセックス?!

特定のパートナーがいる人のセックスの悩みでは、「パートナーとそもそも会えない」「感染が不安」という人が圧倒的多いようだ。

そういった悩みに対しては、「テレフォン/オンラインセックス(電話・テレビ電話を介してのセックス)を楽しんでいる」「お互いの写真を送り合っている」「外出自粛解禁後にしたいプレイ内容などについて話す」といった工夫をしている人がいるようだ。

オンラインでセックスして楽しいの?と思う人もいるかもしれない。楽しんでいる人の声を聞いてみたところ、「声で指示する・されるというのはSMプレイと親和性が高く、なかなか刺激的」「オンラインなのでいつでも遮断することができ、性加害されるリスクが低いから安心」といった意外なメリットがあった。

身体的接触のあるセックスがしづらいからこそ、想像力を働かせて多様な形式のセックスを楽しむ良い機会になっているのかもしれない。

※画像、動画の交換は保存されて拡散されるリスクがあります。(推奨はしていません。)

セックスの悩み②

マンネリ化⇒変化をつけてみる

「パートナーとのセックスにマンネリを感じている」という悩みは同居カップルで多かった。一緒にいる時間が長く、セックスの回数が増えたことで普段のプレイに飽きてしまったのだろうか。

これについては、「セックストイを使う、SMやロールプレイングなど普段しないプレイに挑戦する」等の工夫をしている人がいるようだ。

マンネリはむしろ新しいプレイを開拓するチャンス。いきなり試すのではなく、相手と興味のあるプレイについて意見をすり合わせてから試してみよう。



セックスの悩み③

セックスするか否かでの意見対立⇒目的をクリアにする

一方で、「ストレス発散のためにセックスをしていて、相手を傷つけているかもしれない」「セックスを断りにくいと感じている」といった悩みを危険だと感じた。いくら外出自粛で一緒にいる時間が増えたとしても、パートナーといつでもセックスできると考えるべきではない。セックスの回数が増えることが相手には負担になっている可能性もある。こういった場合はいつも以上に、セックスの前の相手の意思確認を丁寧にすることが大切だろう。

「外出自粛中にセックスするかどうかで意見対立がある」という悩みも少なくなかった。誰も経験したことがない環境下で、「感染のリスク」「お互いの関係性」などを考慮してお互いが納得できる決断をする、というのは簡単なことではない。

話し合うためには、以下を例に2人の意見を整理してみるといいかもしれない。

・そもそもセックスの目的って何?身体的な快楽、愛情表現、それとも生殖のため?それぞれの優先度はどの程度?

・身体的な快楽を求めているなら、テレフォンセックス・マスターベーションで代用できる?

・愛情表現を求めているなら、テレビ電話など他のコミュニケーション手段で代用できる?

・お互いに会うことによる感染リスクは?


ちなみに、外出自粛中のセックスについての考え方は、以下のような割合になっている。

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男性のほうがやや感染リスクを気にする傾向にあるが、男女とも「外出自粛中のセックスについてはパートナー同士で話し合って決めるべきだ」と回答した人が過半数。正解がない問いなので、ぜひ2人が納得いくまで話し合ってほしい。

マスターベーションの変化は?

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マスターベーションの頻度の変化を見ると、男女で差はあるものの、「変化なし」「増えた」「減った」という順番で回答数が多い。

「これまでマスターベーションをしたことがなかったが、コロナをきっかけに始めた」という回答も女性に数名みられた。「アダルトグッズを初めて購入した/購入を検討している」と回答したのは全体の20%と、かなり高い数値になっている。

一方、「マスターベーションする女性はビッチと思われるのか?」と心配する声もあった。日本は女性がマスターベーションをすることへのタブー感がまだまだ強く、こういった固定観念もある。

私は、女性がマスターベーションをすることに罪悪感を感じてほしくないと思う。男性がするのは普通、女性はしないものとされているのはなぜなのか。

むしろ、自分の身体を知る、新しい自分を知るためにこの機会にマスターベーションに挑戦してみてほしい、と声を大にして言いたい。(もちろん、しなければいけないというわけではない)



ストレスの溜まりやすい外出自粛期間だが、空いた時間を利用して

・テレフォンセックスなどいつもと違う形式に挑戦する

・パートナーとセックスの目的・内容について丁寧に話し合う

・マスターベーションで自分の身体に向き合う

などの工夫をしてみてほしい。きっと新しい発見があるはずだ。固定観念からはなれて自由に自分の理想のセックス・マスターベーションについて考え、明確にすることで、心身ともに健康になれるのではないだろうか。  

コロナ時代のセックスやマスターベーションをより楽しむためのイベントも開催するのでよければ参加してみてほしい(情報はTwitterなどで告知します)。

調査概要

調査タイトル:新型コロナウイルス感染拡大前後の性生活の変化について

 

実施期間:2020年4月17日〜5月10日

回答人数:延べ860人

性別:女性(63%)、男性(35%)、その他(2%)

年齢:10代(6%)、20代(73%)、30代(16%)、40代以上(5%)

調査手法:セックス診断サービス「Seek H」公式LINEアカウント、及びTwitterでのアンケート調査

(編集:榊原すずみ