首都圏の私鉄・地下鉄・バス各社が加盟するPASMO協議会は、3月18日に「モバイル PASMO」のサービスを開始します。おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンにて、交通系 IC カード「PASMO(パスモ)」 の機能が利用できるようになります。アプリは3月18日10時頃より、Google Playにて配信されます。
すでにJR東日本がAndroidスマホ向けに提供しているモバイルSuicaとほぼ同様のサービスですが、首都圏の私鉄各社の定期券を搭載できる点が特長といえます。また、Android向けモバイルSuicaでは提供されていない”無記名方式”のモバイルPASMOも発行可能です。
カード発行やチャージ、定期券購入などはスマートフォンアプリから行えます。支払いにはクレジットカード(Visa、Mastercard、 American Express、JCB)を用います。また、PASMO オートチャージサービスに対応するクレジットカードを用意すれば、オートチャージの設定も可能です。
定期券は大手私鉄や地下鉄など19社局が発行。発行事業者の駅が乗車駅となっていれば、JR東日本やその他のSuica/PASMO事業者との連絡定期券も発行可能できます。学割乗車券は大学・専門学校向けのみで、購入者が18歳以上であることが条件となっています。
モバイルSuicaと同様に、駅のチャージ機や店頭での現金チャージにも対応します。無記名式のモバイルPASMOではクレジットカードの登録ができないため、現金チャージのみで利用することになります。
モバイルPASMOの対応機種はAndroid 6.0以上で、FeliCa搭載機種かつ最新版のおサイフケータイ アプリがインストールされているもの。機種の詳細はモバイルPASMOのサービスサイトで案内されています。
サービス開始は18日10時から。同じタイミングでサポート窓口なども開設されます。
なお、モバイルPASMOはAndroid スマートフォン向けのサービスのみが用意されていて、iPhoneでの展開は今後の対応予定も含めて明らかにされていません。
【モバイルPASMO定期券 発行事業者】
[鉄道]
小田急電鉄、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、埼玉高速鉄道、相模鉄道、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、新京成電鉄、西武鉄道、千葉都市モノレール、東急電鉄、東京メトロ、東京都交通局(都営地下鉄など)、東武鉄道、北総鉄道、ゆりかもめ、横浜高速鉄道(みなとみらい線)、横浜市交通局(横浜市営地下鉄)、横浜シーサイドライン
[バス]
小田急バス、江ノ電バス、川崎市交通局(川崎市営バス)、関東バス、 川崎鶴見臨港バス、京王電鉄バス、京成バス、西武バス、相鉄バス、立川バス、東急バス、東京都交通局(都営バス)、西東京バス、日立自動車交通、横浜市交通局(横浜市営バス)
モバイルSuicaと共存可能(※追記:一部の機種のみ)
スマホでPASMO定期券が発行できないから仕方なくモバイルSuicaとカード型PASMOを使っていたという人にとっては気になるであろう疑問は「モバイルSuicaをすでに利用している場合にモバイルPASMOは使えるのか(共存できるのか)」でしょう。
この点について、PASMO 協議会の広報担当者に確認したところ、「モバイルSuicaをインストールしていても、モバイルPASMOは一部の機種で利用可能」との回答でした。
利用できる場合、スマホをタッチしたときにSuicaとPASMOのどちらが反応するのかという新たな疑問がでてきますが、これについては優先的に反応するカードを選べる仕組みを用意する予定としています。詳細については、18日10時のサービス開始段階で案内されます。
【更新:2020年3月10日 18:38】
PASMO協議会からコメント内容の訂正があり、記事の内容に反映しました。
モバイルPASMOが利用できる機種は動作要件を満たす機種のうちの「一部の機種」に限られるとしています。
つまり、「モバイルSuicaとの併用ができないモバイルPASMO対応機種」が存在することになりますが、どの機種がそれに当たるのかについては、18日に詳細を明らかにするとしています。
(2020年3月10日Engadget 日本版「モバイルPASMO」3月18日サービス開始。モバイルSuicaと共存可能(更新)」より転載)を文字リンクにして挿入
関連記事: