英語が苦手なあなたへ。アメリカ人弁護士が伝授する英語マスターのコツ

言語を勉強するとき、「日常」「練習」「実践」の3つのシーンにおいて大切なこととは?
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新型コロナウイルスのパンデミックは世界をグッと近づけた。リモートワークも当たり前になった今、働く場所=住んでいる場所である必要もなくなり、働く場所についての新しい常識が生まれつつある。

今回は、このような価値観の過渡期に、日本のビジネスパーソンと働きながら感じる「英語力」について話したい。

完璧な英語を求める日本人

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日本のビジネスパーソンは、世界的にみても非常に優秀な方が多いと感じている。打ち合わせをはじめ配布資料などの事前の準備は万全であるし、何よりロジカルに物事を考えている。根拠を数値化し、図式化して表現することに長けており、説得力もある。これもひとえに、誠実さや完璧さを求める姿勢の表れであると考える。しかし、この完璧さが仇となっているのが「英語力」だ。

完璧さを求めるがあまり、プレゼンテーションではシナリオを作成し、それに囚われてしまって、台本に書かれた文章を読めなくなると途端にしどろもどろになってしまう。文法を間違えてしまうことを気にして、自分の英語の正しさに確信を持てない時には、口を開かない。そして、どうやったら伝わるか考えあぐねているうちにタイミングを逸してしまう。

これらは、すべて誠実さの裏返しだ。私は日本のビジネスパーソンが英語への誠実さを克服したら、さらに世界的に活躍できるのではないかと思うのだ。

あるとき、素晴らしい仕事のチャンスが巡ってきたのに、英語力が足りないためにチャンスを逃した人がいた。そのプロジェクトを進めるにあたり、十分な能力があるのにもかかわらず、「英語が苦手」というだけで仕事を任せてもらえなかったのだ。

その一方で、その仕事を任せるには実力は十分ではないけれど、「英語ができる」からと仕事を任せられ、昇進や抜擢の機会を得た人もいた。本人の能力が英語力のみで左右されてしまっている現実はあまりにも残念である。

世界から日本は英語力が「低い」と思われている

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みなさんは、世界が日本人の英語力をどう評価しているかご存知だろうか?

「日本人」とひとくくりにしては少し乱暴かもしれないが、非英語圏の英語力調査(2019)では、中国や韓国が「標準」なのに対し、日本は「低い」にランクされていた。私もビジネスシーンにおいてこの調査結果を実感することが、残念ながらある。

スタッフと話したところ、昨今、日本では小学生から英語を学び始め、ネイティブ・スピーカーを講師に招いているそうだが、座学が中心だと聞いた。また、小学校から大学卒業まで文法や読むことを長く学んでいるから「読み書き」に関してはできるけれど、話すとなると自信がないという。…多くの英語の苦手な日本人がこのような感覚を持っているのだろうか。

私は日本語を大学生の頃から学んでいる。それまで全く勉強してこなかった言語を身につけ、日常会話に支障がない程度になるまでには長い時間を要している。

しかし、英語を小学生から学び始める日本人にとって、すでにある程度、英語の素地があるのだから、「話す」ことだけがネックであるなら、私が日本を習得した勉強法が役立つかもしれない。日常、練習、実践の3つのシーンにおいて大切なポイントを考えてみた。         

日常

1.英語で考える習慣をつける

日本語で考えて英語に直すのではなく、最初から英語で考えてみる(英語で文章を組み立てられなかった部分の単語やフレーズをメモする)。

 

2.聞いて復唱する

相手が話した英語で、理解できなかったフレーズについてはその場で尋ね、復唱する。復唱する際はアレンジして相手に聞いてもらう。

練習

1. 自分で話して録音する

携帯電話の録音機能を利用して、3分でもいいから自分が英語を話すスピードや発音などを確認する。

 

2. ビジネス上の特定のシチュエーションを想定して英語を話してみる

頻繁に遭遇するシチュエーションにおいて必要なフレーズを準備する。

 

3. 単語だけではなく、フレーズを覚える

文脈によって使う単語やフレーズは変化する。

 

4. オンライン英会話で勉強する

レッスン料も安価となった今、週1度など時間を決めて学ぶ。

 

5. 英語の歌を覚える

好きな歌なら勉強も楽しい。発音をまねる、流暢さを身につけるのにも役立つ。

実践

1. スピーチ(プレゼン)はキーワードのみのメモで臨む

用意した原稿を読もうとするのは逆効果。

文章全体は本番ではなかなか読めないし、相手に伝わらない。

 

2. 文法ではなく、話す流暢さにこだわる

問題集を1時間解くよりも20分でもいいから話すことが大事。

 

3. 間違えることが当たり前だと思うようにする

単語や文法を間違えたとしても、前後関係を推測して相手は内容を理解できる。間違えることを怖がる必要はない。

コロナ禍以前なら、日本ではお盆や夏休み明けは新しい何かを始める時期であった。そこで、今回は新しく何かを始めるための話をしようと思ったが、それもまた古い常識となっていくのかもしれない。そして、「日本人は英語ができない」という印象もまた古い常識になっていくことに期待している。   

(編集:榊原すずみ

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