新型コロナの影響から家にいる時間が増え、ごはんを家で食べる機会が増えました。家事の大変さがあらためて浮かび上がります。日々のごはん作りを担当されている方、毎日本当におつかれさまです! 炊事に関するお悩み、共有していきませんか。そして「誰かに作ってもらっている人」も、ぜひ読んでください。ねぎらい合うためのヒントが、必ずやあると思います。
第8回 栃木県 何故かもりくんさん 53歳
今は亡き姑さんの習慣で、我が家は毎日ご飯にお味噌汁なのですが、野菜が高騰したときのお味噌汁の具をどうしたらいいか、知りたいです。
家族から「何でもいいよ!」「家にあるもので作ればいいよ」といわれたとき、どうすればよいものか。買う時間がなかったときなど、困っています。
今年も天候不順の影響で、野菜の高騰がニュースになりましたね。私は味噌汁が好物で、2日に一度は作るでしょうか。味噌汁の具として常備保存しやすく、手頃で使いやすいものをご提案します。
「冷凍」を活用
冷凍野菜、使われたことはあるでしょうか? 近年は技術も進み、食感や味わいはどんどん良くなっています。味噌汁ならまず、冷凍ホウレン草がおすすめ。下準備もいらず、味噌汁のできたところにそのまま入れればOK。
何かを組み合わせるなら、油揚げかキノコはどうですか。どちらも冷凍可能。私はキノコが安いときなど、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍し、2カ月ぐらいを目安に使い切るようにしています。ちなみに味噌汁の定番アイテム、ナメコも冷凍保存できますよ。
他の冷凍野菜なら、カボチャやブロッコリーもお味噌汁にいいですね。どちらもパッケージに書かれた時間にしたがってレンチンしてから、食べやすい大きさに切って、煮てください。
上の写真は冷凍インゲンと厚揚げの味噌汁。厚揚げも、私はひと口大に切ったものを冷凍してよく保存しています。絹ごしの厚揚げなど、食感も損なわれずおいしいですよ。インゲンも下ごしらえ一切不要、必要な分をその場で手折りで鍋に入れて使えるのがうれしい。
冷凍野菜に関しての注意点としては、開封したらジッパー付き保存袋に移しかえて冷凍庫へ戻しましょう。そのほうがよりよい状態のまま保存できます。
「乾物」を利用
生鮮が高いときは、乾物に頼るのもいいですよね。海藻は海の野菜、定番のワカメはもちろん、フノリ(上の写真)というのも磯の香りがして、味噌汁にいいものです。ワカメと同じく、スーパーなら乾物の棚に並んでいますので、探してみてください。
合わせるなら油揚げや豆腐、また乾物どうしでお麩を使うのはどうでしょうか。あと乾物ではありませんが、海藻ならモズクも味噌汁にいいですよ。甘酢などで味つけされたものではなく、生モズクとして売られているものを選んでください。豆腐やネギのほか、値段が許せば私はトマトと合わせるのが好きです。
値段の安定している野菜を活用
値段が安定して、なおかつ味噌汁に好適なものといえば、豆苗と三つ葉がおすすめ。豆苗は使ったあと、豆の部分をバットなどに入れて水にひたし、3~4日ほど日当たりのよいところに置くと伸びてきて、再度食べることもできます。
豆腐やジャガイモ、玉ネギなどと合わせるのはどうでしょうか。
また、値段の安さでいえばモヤシは定番の味方。落としたまごと一緒に味噌汁にすると、味わいも豊かになり、食べごたえも増します。たまごも値段の安定した、ありがたい存在ですよね。栄養バランスを補う上でもいいアイテム。
それぞれの味噌汁、ちょっとコクを足したいときはゴマ油を数滴たらしたり、バターを少量加えたりしてもおいしくなります。紹介したホウレン草やインゲン、もやしの味噌汁などはベーコンと一緒に煮ればさらにおいしい。また、サバの水煮缶を水で煮て、何かしらの野菜を一緒に入れて作る味噌汁はかなりのごちそう汁に。いろいろご紹介しましたが、ぜひ何かしらお試しください。
白央篤司(はくおうあつし)
1975年生まれ。「暮らしと食」、郷土料理やローカルフードがメインテーマのフードライター。CREA WEB、Hot Pepper、サイゾーウーマン、hitotemaなどで連載中。主な著書に『にっぽんのおにぎり』『ジャパめし』『自炊力』『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』など。家では炊事全般と平日の洗濯、猫2匹の世話を担当。Twitter、ブログ
(編集:笹川かおり)