2020年で連載50周年となることに合わせて、11月に発売された『ドラえもん』0巻が、1カ月で累計発行部数40万部を突破する人気を呼んでいる。てんとう虫コミックス『ドラえもん』シリーズの単行本発売は23年ぶり。連載開始当時のドラえもんに出会え、大人も子どもも楽しめる内容だ。
ドラえもんは小学館の「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」の6誌で、1970年1月号(1969年12月発売)から同時に連載が開始された。4次元ポケットから出てくる未来の道具をつかって、ピンチを切り抜けるストーリーは、次第に人気を集め、1979年からはテレビ朝日系列でアニメ放送も開始された。
現在では世界的な人気を誇り、単行本も19カ国・地域で発売されている。2016年のリオデジャネイロオリンピックの閉会式では、2020年東京オリンピックのプレゼンテーションとして上映されたムービーにも、スーパーマリオやパックマンなどと並んでドラえもんが登場した。
ドラえもんのてんとう虫コミックスは、これまで1巻から45巻まで発売されていた。しかし、今回新たに発売された0巻には、連載開始時にそれぞれの雑誌で別々に掲載された6種類の第1話などが収録されている。
それぞれの1話の内容に違いがあった理由について、小学館広報室は「藤子先生が、それぞれの年齢で理解できるようにと描き分けられました」と説明。1巻に収録されている1話は「小学四年生」に掲載版を加筆修正したものだという。
0巻に掲載されているストーリーを読むと、ドラえもんが四つん這いで走るシーンがあったり、タケコプターなしに空を飛んでいたりと、現在知られているドラえもん像とは違うところも多く面白い。
小学館の担当者はハフポストの取材に「ドラえもんの漫画が始まって、ちょうど50年。そのスタートがどんなものだったかを知っていただきたいと考えて、この0巻を企画しました。幸い多くの方に読んでいただき、ドラえもんの魅力に改めて触れていただけのではと思います」と話している。0巻は新書判136ページでフルカラー。発売価格は700円(税別)。