朝日新聞厚生文化事業団は、社会的養護出身の学生を対象に、5万円を支給する「新型コロナウイルス緊急学生応援金」の応募を受け付けている。返還は不要。同時にネット上で寄付も呼び掛けており、施設出身者などが高校卒業後に待ち受けるさまざまなハードルについて訴えている。
支給対象は児童養護施設、里親、ファミリーホーム、自立援助ホーム、子どもシェルターで暮らした経験のある大学生や短大生、専門学校生など。措置延長中や学校を休学していても可能だという。
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金額は5万円で、使い道は自由。返還も不要で、条件を満たせばすべての応募者が対象となる。所定の申込書には、施設や里親が記入する欄もある。
同事業団は、応援金の募集をする一方で、朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「A―port」で寄付も募る。児童養護施設出身者の進学率が一般家庭の3分の1であることや、生活費をバイトだけでまかなっている実情も紹介。「コロナ禍の今、社会からの支援が切実に必要」と訴えている。
5月中旬から資金の募集を開始し、半月で300万円が集まったという。同事業団の宮前賢さんは「予想を上回る金額で驚いている。決して多い額ではないが、社会的養護出身者を応援する人が世の中にはたくさんいることも伝えたい。ぜひ施設の方々からも応募を呼び掛けてもらえれば」と話す。
締め切りは6月30日。問い合わせは同事業団(電話03・6670・3654)まで。