昨年実写版が映画化され、大ヒットしたアメリカの人気キャラクター「ブラックパンサー」。アフリカ系スーパーヒーローの祖国である「ワカンダ」が、アメリカと自由貿易協定(FTA)を結んでいた・・・。アメリカ農務省がネット上に公開したアメリカのFTA締結国リストに、架空の国であるはずのワカンダが掲載されていたことが分かった。ネット上で騒動になり、農務省はリストからワカンダを削除。「テストファイルが残ってしまった」と説明している。
「ブラックパンサー」はマーベルコミックに登場するキャラクターで、超人的な身体能力と判断力を駆使して敵と戦うスーパーヒーロー。昨年公開された実写版映画は、登場人物のほとんどをアフリカ系の俳優が演じたことで話題を集めた。ヒーローものの映画としてはアメリカで史上最高の興行成績を収めたほか、アカデミー賞でも衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞を獲得した。
そんなブラックパンサーの祖国とされるのがアフリカの奥地にある架空の国、ワカンダ。ブラックパンサーの力の源泉でもある、膨大なエネルギーを生む鉱石ビブラニウムの産地だ。他国からの侵略などを避けるため最貧国と見せかけているが、実際には高度なテクノロジー社会を築いている。
そんなワガンダが、アメリカ農務省のホームページに掲載された、FTA締結国のリストに掲載されていた。CBSによると、リストにはワカンダとアメリカとの間では、アヒルや羊、乳牛といった家畜取引があったと記載されていた。
AFP通信によると、リストに記載された情報に基づき、ワカンダ産のジャガイモをアメリカが輸入した場合、かかる関税は1キロ当たり0.5セント(約0.5円)。一方で、ブラックパンサーの力の源泉である鉱石ビブラニウムは無関税だった。
この記載に気づいた人がTwitter上で指摘し、瞬く間に話題になった。
NBCによると、農務省は指摘を受けて18日にリストからワカンダを削除。リストに掲載された原因として、システムのテストで使ったデータを消し忘れたと釈明している。