18日(月)の朝に発生した大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震の影響で、水道やガスなどのライフラインにも被害が相次ぎ、一部の地域では今も断水やガスの供給停止が続いています。
こうした非常時には最低3日、できれば1週間は自力で食料を確保できるよう日頃から備えておきたいもの。そこで実践してもらいたいのがローリングストック法です。
「循環備蓄」とも呼ばれているのが、缶詰、瓶詰め、レトルト食品などの食料を一定量キープしておき、少しずつ使いながら買い足す方法。つまり、その日に使うぶんより余分に食料を買い、あとは使い切る前に足しては使い、足しては使うことを繰り返すのです。備蓄品が常に循環されるため、よくある非常食の賞味期限が切れの心配がありません。
備えておく食品は、必需の水のほかは基本的に何でもOK。普段使いの食品を備蓄することがポイントです。精神的な負担の大きい非常時こそ、食べ慣れたものの方が落ち着きます。
とくに小さなお子さんやお年寄りなどは、食べられないと体調を崩す原因にもなりかねません。日頃から食べ慣れている食品がいちばんのごちそうになるはずです。
備蓄食品の優等生とされている缶詰ですが、なぜ良いのでしょうか?
1:保存性がよい
缶詰は食品の空気を抜いて密封し加熱殺菌しているため、常温で長期間の保存ができます。電気などの供給が不安定になる非常時でも、中が腐敗する心配がありません。保存料なども使っていません。
2:調理せずに食べられる
缶詰は基本的に開けたらそのまま食べられます。ガスや電気を使えない時でも、すぐに食べられるのは大きなメリットです。
3:栄養価が高い
意外かもしれませんが、旬の食材をすみやかに保存するため、栄養価が高いのです。真空状態にしてから加熱殺菌するため、ビタミンなどの損失も家庭での調理と比べ少ないとされています。
4:おいしさ
缶詰は密封された缶の中で、調味料の味が材料によく馴染み、開けた瞬間がおいしくなるよう工夫されています。種類も魚、豆類、野菜などの水煮やオイル漬け、調味済みのもの、果物のシロップ漬けやデザートまで豊富に揃っています。お気に入りの1品もキープしておけば、きっと非常時の安心となるでしょう。
災害時は「自助」、「共助」、「公助」で助け合いますが、発災直後から何日間は、まず「自助」でしのぐしかありません。そのためには普段からの「備え」が欠かせません。たんぱく質などの栄養が不足しがちな非常時には、缶詰が強い味方となるはずです。
災害はいつ起こるか分かりません。しかし、今も「備えあれば憂いなし」の警句は生きています。
『賢者の非常食』(小泉武夫、IDP出版)/『缶詰に愛をこめて』(小泉武夫、朝日新聞出版』
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