働き方やキャリア、ライフスタイルの多様化が進む現代。企業が多様な「働きやすさ」や「働きがい」のニーズに応える重要性が高まっている。
働きがいのある企業に関する調査・分析を行うGreat Place To Work Institute Japanは、日本における「働きがいのある会社」ランキング・ベスト100(2025年版)を2月12日に発表。働きがいに関する最新の傾向などを明らかにした。
加速する「働きがい」改革の現在地

同社は、世界約150ヶ国でアンケート調査を実施し、その結果が一定レベルを超えた会社を「働きがいのある会社」として発表している。アンケート項目と評価基準はグローバル共通で、選択式設問(60問)・自由記述式設問(2問)・属性・認識を問う設問(8問)に働く人が無記名で回答する形式だ。
選択式設問全60問の肯定回答率をスコアとして算出し、平均スコアを「働きがいのある会社」 ランキングとして発表している。
日本におけるランキングの発表は今回で19回目。2023年1月に「企業内容等の開示に関する内閣府令」等が改正され、人的資本に関する情報開示が義務化された現在、上場企業に加え、開示義務がない非上場企業においても、従業員の働きがいの向上を目指す取り組みは加速している。
働きがいの最新傾向。大きく改善されたポイントは?
今回の調査では、積極的に従業員の働きがい向上に取り組む657社を対象にランキングを作成。一定水準を満たした企業が「働きがい認定」企業として選出され、その中から上位100社(大・中・小規模ごとの選出社数の合計が100社)が選出された。
企業規模別のランキング第1〜3位は、以下の結果となった。
大規模部門 (従業員数:1000人以上)
1位 (13回) DHL Express (運輸業,郵便業)
2位 (8回) Cisco (情報通信業)
3位 (初回) Hilton (宿泊業,飲食サービス業)
中規模部門 (従業員数:100〜999人)
1位 (10回) アチーブメント (学術研究,専門・技術サービス業)
2位 (4回) アトラエ (情報通信業)
3位 (6回) フロンティアホールディングス (不動産業,物品賃貸業)
小規模部門 (従業員数:100〜999人)
1位 (7回) あつまる (情報通信業)
2位 (初回) Mahalo (分類不能の産業)
3位 (初回) KINGSMAN TOKYO (サービス業など)
また、2025年版調査に協力した企業のうち2か年連続で参加した企業を対象に分析をしたところ、7割以上の企業で、働きがいが維持または改善していたという。

前年の調査結果と比較して最も大きな変化は「働きに見合った報酬が支払われている」という回答率の増加だ。また「経営・管理者層の期待が明確」「経営・管理者層に質問しやすい」などの声も前年より多く、リーダーである経営・管理者層が積極的に部下との信頼醸成に力を入れていることがうかがえる。さらに「仕事に行くことを楽しみにしている」においては、前年から4ポイント増加で48%と半数に近付く結果となった。