イギリスで男性の銅像が赤ちゃんを抱く姿に。なぜ?父親らが訴えたかったこと

21世紀に相応しい男性育休を。イギリスの父親団体が、ユニークな方法で不十分な育休の問題を訴えました
イギリス・ロンドンにある俳優ジーン・ケリーの銅像
イギリス・ロンドンにある俳優ジーン・ケリーの銅像
Luciana Guerra - PA Images via Getty Images

男性が十分に育児に携わるためには、女性と同じ育休が必要です――。

そんなメッセージを伝えるために、イギリスにあるエンジニアのイザムバード・キングダム・ブルネルや俳優のジーン・ケリー、元サッカー選手のティエリ・アンリらの銅像が抱っこひもで赤ちゃんの人形を抱く姿になった。

このアクションを実施したのは、イギリスの男性育休制度の改善を求める父親らによる団体「ダッドシフト」だ。

同団体によると、イギリスの法律で認められた男性の育休は最長2週間、給付金は1週間で最大185ポンド(約3万4000円)だ。

ダッドシフトは「これはヨーロッパで最低の基準であり、父親が十分に育児に携わり子どもとの絆を築くことができない」として、母親と同等の育休を設けることで、ジェンダーにとらわれずに誰もが家庭内での自分の役割を果たせるようにしてほしいと訴えている。

団体は、キア・スターマー首相に公開書簡も送る予定で、その中で「父親や共同育児をする親のための十分な育休は、母親にとっても、赤ちゃんにとっても、父親にとっても、社会にとっても良いことだ」とつづっている。

ダッドシフトはこの父親の育休問題への注目を集めるために、銅像に赤ちゃんを抱かせるアクションを実施した。

共同設立者のジョージ・ガブリエルさんは、父親育休の改善は「子育ては女性の仕事」というジェンダーステレオタイプの解消にもなるという考えをガーディアンに示している。

「公の生活における人物の描かれ方や理解のされ方には不均衡があります。女性は公の場で、妻として、母として、娘としての生き方について聞かれることが多いですが、男性はそのような質問をされることはあまりありません。私たちは、父親としての役割に注意を集め、赤ちゃんを迎えた時に、彼らをよりよくサポートする必要性を訴えたかったのです」

注目記事