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スタートアップへの投資額は8500億円超へ。東南アジアで、デジタル経済市場拡大の理由は…

国内大手企業が、東南アジア発スタートアップへ積極的に投資する動きも。
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東南アジアで「スタートアップ熱」が高まっている。実際に2004年からおよそ10年で、スタートアップ企業数は2倍の規模へ。さらに配車サービス、EC、FinTechなどの分野でユニコーンも登場している。こうした中、国内大手企業が出資・買収を活発化させる動きも。その狙いとは?

東南アジア「スタートアップ投資額」、8500億円超へ

東南アジアにおけるデジタル経済市場(※)が急拡大を続ける。

2025年には32兆円規模へ――2019年から6年間で3倍に成長する見込みだ(*2)。

こうした中、注目されているのがスタートアップの存在。実際に、その投資額も増加傾向にある。たとえばASEAN地域におけるスタートアップへの投資額は、2017年に8500億円超へ(約78億6000万ドル *1)。前年比で3倍以上の伸びを記録した。

背景には、各国におけるスタートアップ促進支援の取り組みがあると言えるだろう。シンガポールで言えば、政府が投資ファンドやインキュベーション施設の設立、グローバルIT企業の誘致などを実施。2017年、「Startup Genome」が発表した「スタートアップ・エコシステム・ ランキング」では世界で12位にランクインした(*3)。

またインフラや社会サービスがまだまだ未整備の地域も多い。ビジネスとして解決すべき課題も多いからこそ、新たな技術やアイデアを持ったスタートアップへの期待も大きいと言えるだろう。

(※)デジタル経済
コンピュータにおける情報処理技術によって生み出された経済現象。EC、電子決済などのITビジネスにおける経済活動などが含まれる。

国内大手企業、「東南アジア発スタートアップ」出資・買収の動き

こうした中、国内大手企業が「東南アジア発スタートアップ」へ積極的に投資する動きも。2019年だけでも、数々の事例が見受けられる。

たとえば、ソフトバンク・ビジョン・ファンドはシンガポール発ユニコーン「Grab(グラブ)」に出資を行なっている。金額としても、1600億円超(14億6000万ドル *4)と大規模だ。

Grabは東南アジア8ヵ国において配車サービスを展開。さらに、フードデリバリー、モバイル決済、配送サービスなど、事業領域は拡大を続けている。

また2月には、三菱自動車によるインドネシア発ユニコーン「GOJEK(ゴジェック )」への出資が発表された。GOJEKは東南アジア4カ国で配車サービスを展開。三菱グループが持つ自動車販売・小売などのネットワークの活用で、新たなサービス開発も計画される。

さらに8月には、楽天がシンガポールで格安ホテル運営を手がける「RedDoorz(レッドドアーズ)」に出資。同社の宿泊需要予測技術などの取り込みが、ひとつ狙いにありそうだ。

もう一つ、2月には電通がシンガポールのデータ分析サービス開発「Happy Marketer(ハッピーマーケター)」を買収する動きも。スタートアップが持つ先端技術の取り込み、さらに同地域進出の足がかりにしたいという狙いが出資・買収の背景にはありそうだ。提携によってどういったシナジーを生み出していくのか、今後の展開にも注目したい。

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