「トヨタにはいりたいのですが、どうすればいいですか?」
学生からは、こんなストレートな質問をうけることもあります。
第一志望の会社があり、どうしてもその会社に入りたい。その会社は超有名企業で狭き門。まあ、勝率は非常に低いです。
こういう時に、「そもそも、その企業じゃなきゃだめなの? なんでその企業に入りたいの?」ということを聞きます。
■あなたが今知らない企業を受けなさい
私が学生にいつも言っているのは「今自分が知っている企業だけを受けるな」ということです。
今、自分が名前を知っている企業は、他の学生も知っている企業。だから、競争率は高くなる。今、自分が知らない企業を探して、そこを受ければ、競争率は低く、合格率は格段に上がります。
そして、トヨタにはいりたければ、受ける企業をトヨタと取引がありそうな会社、トヨタでも必要そうな業務を身につけられるような会社を選べばよいのです。
例えば、自動車の部品物流や材料の調達に関しては、完成車メーカーでも上流の自動車部品メーカーでもある仕事です。まずは、物流業者や部品メーカーに務めて、そこでスキルを身につけて、トヨタに転職するチャンスをうかがうというのはひとつの有効な手段です。
実際、私はトヨタではない完成車メーカーに在籍していましたが、物流会社や部品メーカー出身の社員はたくさんいました。(ちなみに私は外資系IT→完成車メーカー)
■海外就職という選択肢
また、トヨタという名前にこだわるのであれば、海外から入るという手もあります。
例えば、トヨタ・タイランドという会社がタイにあります。そして、この会社では日本人を募集していることがあります。
そういう会社を目指したければ、パソナ・タイランドといった日本の人材会社のタイ法人があり、ここに登録することで(募集があれば)応募することができます。
日本のトヨタよりは競争率が低いですし、トヨタ・タイランドで実績を出せば日本のトヨタに転籍する可能性もあるかもしれません。
このように、トヨタに入社する方法でも、新卒就活だけではなく、同業他社経由や外国経由などいろいろな方法があるのです。
■Jリーグにはいりたいのですが、どうすればいいですか?
トヨタよりもさらに難度が高い会社もあります。
例えば、サッカーに興味があってJリーグにスタッフとして入りたいなんて場合、どうやって入ればいいのか見当もつきません。(実は先日リクナビで募集が出たのですが、若干名の募集に数千名の応募が殺到したらしいです)
これだけ人気がありすぎると、採用する側も逆に大変になってしまい、結局、知り合いのコネで人を探す場合がおおくなります。(これは悪い意味でのコネ入社ではなく、知り合いの優秀な人をスカウトしてくるというコネ入社です)
じゃあ、どうやってコネをつくればいいのか?という話ですが、とにかくアンテナを張りまくり、人と会ったり、サッカーに関するイベントに足を運んだりして、知り合いをつくることが近道です。
例えば、このようなJリーグクラブが関わっているようなプログラムに参加するとか、Jリーグの関係者が登壇する講演会に参加するとか、関係者にSNSで話しかけるとか、そういうことです。
また、海外経由という手段もあります。東南アジアのサッカークラブで日本人を募集していることも稀にあります。実際、海外でクラブ運営の経験を積み、Jリーグのとあるチームに就職した人もいます。
■門は正門だけではない
トヨタにしろJリーグのチームにしろ、人気企業に正面から入っていくのはなかなか大変です。
しかし、新卒就活が唯一の道ではありません。
大切なことは、他にも道がないかを一生懸命探し、関わりがある人と知り合いになり、周辺の会社で働いて経験を積み、そこで身につけた実力であこがれの企業を目指すことです。
就活なんて、長い社会人生活の第一歩に過ぎません。働き始めてそこで力を付けて、あこがれの会社の役に立てる人材になることが一番大切なのです。