Spotify、新型コロナ誤情報の対策導入を発表。ニール・ヤングの楽曲削除宣言から1週間で動く

ニール・ヤングとジョニ・ミチェルが楽曲削除宣言をした後、Spotifyは「コンテンツアドバイザリー」の設置を発表しました
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SOPA Images via Getty Images

新型コロナの誤情報を拡散させるポッドキャストに抗議して、ミュージシャンのニール・ヤング氏がSpotifyからの楽曲削除を発表してから1週間。

Spotifyが1月30日に、新型コロナウイルス誤情報対策として、プラットフォーム上に「コンテンツアドバイザリー」を設置すると発表した。

ニール・ヤング氏
ニール・ヤング氏
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コンテンツアドバイザリーとは?

コンテンツアドバイザリーは、新型コロナウイルスについて扱ったポッドキャストのエピソードに表示され、リスナーを「COVID-19情報」に移動させる。

Spotifyによると、COVID-19情報には「世界中の科学者や医師、研究者、専門家、公衆衛生当局による情報や信頼できる情報源」が紹介される。このページには1月31日午前11時現在(日本時間)で、BBCやCNN、ABC、NHKなどが掲載されている。

コンテンツアドバイザリーは今後数日内に導入される予定だが、エピソード内でどのような形で表示されるのかはまだ明らかではない。

また、Spotifyはこの対策に加えて、クリエイターたちがプラットフォームを利用する際に守るべきルールも公表した。

ルールが定める危険なコンテンツには「実際の生活や公衆衛生に直接的な脅威をもたらす、誤った医療情報」も含まれ、発信が禁止されている。

ダニエル・エクCEOは声明で、「ルールはこれまで何年も導入されてきたものだ」と説明している一方で、ルールを巡る透明性が欠けていたことを認めた。

そして、「この数週間で寄せられたフィードバックから、この前例のない時間を切り抜けるために、我々にはバランスを保ちつつ、医学界と科学界が広く支持する情報へのアクセスを提供するための責任があることがはっきりわかった」と説明している。

Spotifyは今後ルールをウェブサイトのメインページに表示させ、様々な言語に翻訳すると約束している。

ヤング氏の楽曲削除とSpotifyの新対策発表を巡る経緯

ヤング氏は1月24日に、Spotifyの人気ポッドキャスト「The Joe Rogan Experience(ジョー・ローガン・エクスペリエンス)」でジョー・ローガン氏が新型コロナウイルスの誤情報を配信していることに抗議して、自信の楽曲削除を求める書簡を公表した

その中で、Spotifyを「誤情報を許すことで人々の命を危険にさらしている」と批判し、「ローガンかヤングかどちらかだ。両方を選べない」と訴えた。 

ジョー・ローガン氏
ジョー・ローガン氏
CARMEN MANDATO VIA GETTY IMAGES

Spotifyはその数日後に、ヤング氏の要求通り楽曲を削除する意向を発表したが、抗議活動はヤング氏にとどまらなかった。

1月28日には、ミュージシャンのジョニ・ミチェル氏もヤング氏への賛同を宣言

声明で「私はSpotifyからすべての楽曲を削除することを決めました。無責任な人たちが、嘘を拡散させて人々の命を危険にさらしています。私はこの問題で、ニール・ヤングや世界中の科学者や医学界に連帯して立ち上がります」と述べた。

ジョニ・ミチェル氏
ジョニ・ミチェル氏
SAMUEL CORUM via Getty Images

ローガン氏はこれまで何度も、ポッドキャストで新型コロナウイルスとワクチンの誤情報を発信していることを批判されてきた。

特に強いバッシングが起きたのは、2021年12月に投稿した、ロバート・マローン氏のインタビューだ。

マローン氏は、新型コロナウイルスのデマを拡散させていることが問題視されている感染症専門家で、Twitterではアカウントを凍結されている。

このエピソードに対して、250人以上の医師や科学者たちがSpotifyに対する抗議の書簡を発表し、プラットフォーム上の誤情報を取り締まるよう求めた。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。 

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