日本時間9月8日午前8時50分ごろ、太陽の表面で起きた「太陽フレア」とよばれる爆発現象で生じたとコロナガスが、地球に到達した。
太陽では複数回の爆発が起きているが、今回のものは9月6日に起きた通常の1000倍規模の爆発によって生じた可能性が高い。当初の予想よりも6時間以上も早かったことになる。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の発表によると、コロナガス到達に伴う磁気嵐は猛烈に大きな「G4」クラスだが、11年間100回程度の規模だという。NOAAでは、日本時間午後3時ごろまで大きな磁気嵐が続く見込みと伝えている。
総務省が所管する情報通信研究機構(NICT)の研究者はハフポスト日本版の取材に対し「断言はできないが、通常の1000倍規模の太陽フレアに伴うコロナガスが予想より早く到達した可能性が高い。GPSなどへの影響は考えられるが、今のところ大規模停電などはなさそうだ」と話した。
高緯度地方ではコロナガスの到達に伴って、荘厳なオーロラが出現した。フィンランド北部のロヴァニエミに住むカメラマン、Jani YlinampaさんがInstagramに写真と動画を投稿した。
■太陽フレアとは?
NICTは9月6日、太陽の黒点で「太陽フレア」とよばれる爆発現象を確認したと発表した。
それによると、同日午後8時53分に発生した太陽フレアの最大X線強度は、通常の1000倍以上と大規模なものだった。この現象に伴い、「コロナ質量放出」と呼ばれる高温のコロナガスが地球方向に噴出する現象を確認。コロナガスは9月8日午後3時から午後12時ごろにかけて、到来することが予測されていた。
この影響で、地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気が乱れる可能性があり、通信衛星、放送衛星などの人工衛星の障害が起き、スマートフォンやカーナビなどで使われるGPSに誤差が生じる可能性があるという。
(UPDATE)NHKニュースによると情報通信研究機構は8日、今回のフレアによる磁場の乱れは午前中にピークを過ぎたものの、太陽活動は引き続き活発で、新たなフレアの発生も考えられることから「今後、数日間は警戒が必要だ」と警戒を呼びかけている。また、国土地理院のGPSのデータを解析したところ、通常の誤差に加え数メートルほどの位置情報のずれが確認できたという。(2017/09/08 18:12)