「みなさんの感情がハッキングされていることになる」
内閣サイバーセキュリティセンターが4月25日、事件発生時にSNSでの情報拡散をしないよう、Twitterで異例の呼びかけをした。
ニュージーランドやスリランカで起きたテロ事件で、銃撃犯が犯行の様子をFacebookで動画中継したり、犯行グループがSNSを通じて大衆を扇動したりしていたからだ。
内閣サイバーは、2つのテロ事件を受けてのお願いとして、「攻撃者にとって狙い通りの恐怖と悪名の拡散であり、みなさんの感情がハッキングされていることになります」と呼びかけた。
続いて、事件にかこつけた誤った情報が流れる危険性について触れ、「国、宗教、思想、人種を分断し互いに攻撃し合うように仕向ける投稿が行われています」とツイート。
「我々が拡散しなければ、少なくとも情報面では、こういった攻撃を弱めることができます」と、悪意のある情報の拡散に加担しないよう求めた。
その上で、「SNSやネットを恐怖と悪名の拡散の場にせず、楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすることで満たせるように、ぜひご協力ください」とお願いした。
ニュージーランド首相、SNS企業にテロ対策を求める
銃乱射事件が起きたニュージーランドでは、SNS企業に対してテロ対策を求める動きが進んでいる。
2つのモスクで銃乱射が起き、50人が死亡した事件では、銃撃犯が犯行の一部始終をFacebook上で動画中継していた。動画はSNS上で広く拡散され、企業側は批判にさらされていた。
アーダーン首相は4月24日、フランスと協力し、SNS上からテロリスト集団による情報発信を撲滅するよう企業側に求める方針を示した。
すでにFacebookのマーク・ザッカバーグ代表など、複数の企業幹部と話をしているという。
アーダーン首相は声明の中で、「3月15日のテロ攻撃で、SNSがテロ行為と憎悪を拡散・助長するツールとして異例の形で使われた。SNSが二度と同じような形で悪用されないよう、企業にリーダーシップを示すよう求めていく」と強調した。