横浜市の山下ふ頭に設置された実物大ガンダムが、吹雪の中で立ち上がろうとする様子を捉えたドラマチックな写真がSNS上で反響を呼んでいる。
これは、神奈川県に大雪注意報が出ていた1月6日午後3時すぎ、写真家の横田裕市さん(@yokoichi777)が撮影したものだ。同日午後4時20分、「吹雪の中起動するガンダム クッッソカッコ良かった...」とコメントを添えてTwitterに投稿すると、1日足らずで約14万件の「いいね」を集めた。
「まさに、連邦の白い悪魔」「吹雪で立ち往生したトラックやクルマをひょいと持ち上げて欲しい」「映画のワンシーンのようだ」と話題になっている。
■氷点下での撮影「手がかじかんで指の感覚が感じられずカメラ操作に苦労しました」
「吹雪の白に包まれる中、起動し動き出すガンダムというイメージ通りのカットが撮影できたことに安堵しました」
ハフポスト日本版の取材に横田さんは、そうコメントした。2018年1月に大雪警報が発令された際の都内の様子を撮影。国内外で反響があり、都内の撮影は一区切りついたと考えた。
そこで今回は、3月で展示が終了する横浜市内の実物大ガンダムを「雪の中で撮影できる最初で最後のチャンス」と思って、山下ふ頭の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」に向かった。
ソニーのミラーレスカメラ「α7 RIV」に「FE 24-105mm F4」のズームレンズで撮影。前景の雪を強調するためにストロボを使用したが、当時の横浜市内の気温はマイナス0.1度。大雪の中で安全に気をつけながらの撮影だったが、手がかじかんだことでカメラの操作にも苦労したという。
「雪の影響でカメラのオートフォーカスが合わせずらく、マニュアルでピントを合わせながら撮影しました。ストロボの光量と角度のバランスなど試行錯誤しながらの撮影でしたが、後半は手がかじかんで指の感覚が感じられずカメラ操作に苦労しました」
今回のガンダムの写真が、国内外から多くの反響を得ていることについて「写真家として心から嬉しく思う」と感慨深げだった。
「日本だけでなく海外のユーザーからも反響をいただいています。機動戦士ガンダムが国境を越えて愛されている作品だと強く感じます。私自身もガンダムのファンとして、今回自分の写真作品として記憶に残る写真を撮れたこと、それを多くの人々に御覧頂けたことは、写真家として心から嬉しく思います」
■【画像集】横田さんが撮影した「吹雪の中の実物大ガンダム」
■横田さんのプロフィール
横田裕市(よこた・ゆういち)。1985年、福島県郡山市生まれ。雄大な自然のスケールを伝える大胆かつ繊細な絵を得意とする。主に国内外の風景を撮影する傍ら、妻のポートレート撮影も手掛ける。
国際的なフォトコンテストipa2016にて部門優勝、数多くの海外メディアへ掲載される等、国内外問わず活動の幅を広げている。
2019年2月、銀座ソニーイメージングギャラリーにて初の写真展「フィンランド 冬の光」を開催した。