こんなふうに注がれたら、ワインを飲むのがもっと楽しくなるだろう。長野県軽井沢町に住む金工作家、福田英生さん(46)が制作した作品がTwitter上で話題になっている。
とぐろを巻いたヘビのワイン用「注ぎ口」で、瓶を傾けるとヘビの口からワインが出る仕組みだ。福田さんのもとには、商品化を求める声が多数寄せられているという。
福田さんによると、この注ぎ口は銀製。ロウで作った原型を石膏で固めて加熱し、中のロウを溶かした後に銀を流し込んで作った。
ヘビの下にはコルクが取り付けられている。ヘビの口からコルクの底面まで管が通っており、そこをワインが通る仕組みになっている。
原型も含め、1週間ぐらいで完成した。制作の動機を福田さんはこう語る。
「元々ワイン好きで、独特な形をした注ぎ口が欲しいなと思ったんです。ワインが口から出るのをイメージして、いくつか生き物を考えました。最初はタコとか。その中でヘビが一番かっこいいと思い、作ることにしました」
福田さんが17日に写真をTwitterに投稿したところ、約6万8000の「いいね」が押された。コメントも相次ぎ、商品化を臨む声が多く寄せられたという。
「ワインが通る管はとても細いので掃除がしにくい。衛生上で問題がないかどうか検討する必要があります。そこがクリアできれば商品にしたい」と福田さんは意気込む。2、3万円になる見通しで、商品化のめどが立てばTwitterで告知するという。
福田さんは大阪芸術大附属大阪美術専門学校を卒業後、指輪などのアクセサリーの原型を作る仕事をしていた。4年前、作家として独立。軽井沢に「アトリエpuchuco(プチュコ)」を開いた。
主に制作しているのは、動物のアクセサリーやからくり人形。小鳥がかごの中で羽ばたく作品や、小さな星に見立てた球の上を小さな小舟が動くように見える作品などを作っている。
小舟の作品の球は、市販のアルミ箔をすべて出して丸め、それを地道にたたいて完成させた。福田さんが最近、Twitterで紹介したところ、インターネットメディアも取り上げるほどの話題になった。