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エジプト・アインシャムス大学の考古学者たちは3月6日、笑顔を浮かべ2つのえくぼがあるスフィンクスが見つかったと発表した。
スフィンクスが見つかったのは首都カイロの約450キロメートル南にあるケナ県のデンデラ神殿の東で、ローマ時代のものと見られている。
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第4代ローマ皇帝のクラウディウスか
アインシャムス大学によると、考古学者たちはデンデラ神殿の横で発掘を進めている時に、ビザンティン帝国のものと思われる遺跡を発見。その中からスフィンクスの形をした石灰岩の像を見つけた。
このスフィンクスは、頭飾りなどの特徴から第4代ローマ皇帝のクラウディウスではないかと考えられている。クラウディウスは西暦41~54年に統治し、ローマ帝国の支配を北アフリカまで伸ばした皇帝だ。
見つかったスフィンクスは、世界的に有名なギザの巨大スフィンクスに比べると小さいものの、えくぼのある笑顔はどこか親しみやすい印象を与える。
元考古大臣のマムドゥーフ・アル・ダマティ博士は、像を「素晴らしく美しく、王室の特徴がある顔は正確に描かれている。唇にはわずかな笑みを浮かべており、両サイドにえくぼがある」と表現している。
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また、像の下からは、ヒエログリフ(象形文字)とデモティック(民衆文字)の両方が刻まれたローマ時代の石板も発見されたという。
アインシャムス大学のマフムード・エル・メティーニ学長は、デンデラ神殿での発掘活動について「ギリシャおよびローマ時代のエジプト文明に、新たな歴史を加えるものになるであろう」と述べている。