高校を中退、19歳で子どもを生み、5人の子どもを育てるシングルマザーがロースクールを卒業する。度重なる逆境に負けず、夢を叶えようとしているのは、テキサス州に住むイエシア・チャンプスさんの卒業写真が全米で大きな話題を呼んでいる。
5人の子どもたちに囲まれて、チャンプスさんは誇らしげに「やりとげました!」とメッセージカードを持っている。
ここまでの道のりは決して楽ではなかった。
CBSによると、チャンプスさんは父を早くに亡くし、母親はドラッグ中毒だった。住む家もなく友達や知り合いの家を点々とする十代を送ったという。高校を中退して19歳の時に子どもを生むと、家族を支えるためにコールセンターで仕事をした。
悲劇が襲ったのは、2009年だった。4人目の子どもを妊娠中に、火事で家を失い、仕事をクビになり、子どもふたりの父親をがんで亡くした。自死を試みたほどつらい状況だった語る。
その状況に希望をもたらしてくれたのは、通っていた教会の牧師だった。彼女の助言で、チャンプスさんは大学に通うための準備を始めた。
チャンプスさんは「3人子どもがいて、4人目がお腹にいる状況で、それはちょっと無謀なのではないか」と思ったが、学校に通うことにした。地元のコミュニティー・カレッジを経て、ヒューストン・ダウンタウン大学で学士号を取得。さらに、テキサス・サザン大学のロースクールに進んだ。
ほとんど不可能だと思っていた子どもの頃からの夢を叶える、大きな一歩。
ここまでこれたのは、子どもたちのおかげだと話す。特に14歳の長男は、下の子どもたちを世話してくれて、仕事をしながら学校に通うチャンプスさんを助けてくれた。チャンプスさんはCBSにこう語る。
「私が料理をしている間に、子どもたちはカードを作って復習を手伝ってくれました。その日勉強した内容を伝えると、模擬陪審をやってくれることもありました」
「プレッシャーの大きさに、クローゼットの中に座って祈り、泣くこともありました。そんな時、一番年上のデイヴィッドは、私の負担を減らすために、きょうだいたちと軽食をつくったり、お風呂に入れたり、学校に着ていく服を用意してくれたりしました」
卒業写真は子どもたちと一緒にとった。「やりとげました!」というメッセージボードをもつチャンプスさんの後ろには、「みんなでやりました!」「私も!」「私も助けたよ!」「私もやったよ!」「私も助けた!」とカードを持つ5人の子どもたちが学ぶ。
Yahoo!によると、司法試験に受かったら、家族法と少年法を専門にした弁護士、そして最終的には裁判官になりたいと考えている。
「最悪の生活環境で暮らしている子どもたちのために闘う弁護士になりたい。彼らが家族との絆を取り戻す助けとなりたいのです。もしそれができなくても、私がもらえたようなチャンスをあげたい」
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