パリ五輪の体操女子・個人総合で金メダルを獲得したアメリカのシモーネ・バイルズ選手が、「黒人の仕事」の素晴らしさを称えた。
バイルズ選手は8月1日に行われた個人総合で金メダルに輝き、自身9個目のオリンピックメダルを獲得する快挙を達成。改めて体操競技の「GOAT(史上最高の選手)」であることを示した。
多くの人がバイルズ氏の偉業を称える中、歌手リッキー・ダビラさんは「GOATのシモーネ・バイルズにとって、黒人の仕事とは金メダルを獲得して体操競技の頂点に立つこと」とXに投稿した。
バイルズ選手が2日にこの投稿をシェアして「私は黒人の仕事が気に入ってます」とコメントすると、大きな反響を呼んでいる。
「黒人の仕事」とは?
「黒人の仕事」という言葉は、米共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏が、選挙活動で何度も使っている言葉だ。
6月27日に行われた選挙討論会では「滞在許可証を持たない移民が、アメリカ南部の国境を渡ってきて黒人の仕事を奪っている」と発言した。
この主張に、多くの人から「黒人の仕事とは何か」という疑問が投げかけられたほか、「黒人の仕事に対する固定観念を持っている」という批判が起きた。
黒人で、テキサス州選出の連邦下院議員であるジャスミン・クロケット氏は、討論会の後に「トランプ氏は私の職を“黒人の仕事”だとは思っていないのでしょうね」とXにコメントした。
トランプ氏は、7月31日に開催された全米黒人ジャーナリスト協会の年次大会でも、同じ主張をした。
この発言に対し、ソーシャルメディアには「黒人の仕事とはバイルズ選手のような偉大なスポーツ選手のことだ」という声や、カマラ・ハリス副大統領が民主党の大統領候補として有力視されていることを受けて、「大統領が黒人の仕事だ」という意見が投稿されている。
バイルズ選手はパリ五輪の団体総合でも金メダルに輝いて、獲得したオリンピック金メダルの総数を6個に増やした。アメリカの体操選手が、個人総合で2つ目の金メダルを手にするのは初めてだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。