第91回選抜高校野球大会で、「ランナーがサインを盗み見た」などとする疑惑が上がっている。
■星稜・林監督が主張 物議に
発端は3月28日の星稜(石川)対習志野(千葉県)戦だった。習志野が大会屈指の好投手・奥川恭伸から3点を奪い勝利したが、試合後に星稜の林和成監督が「サイン盗みがあった」と主張したのだ。
林監督は試合後に習志野の控え室に出向き、相手監督に抗議。審判団は「現段階で『ない』と言うのが最終結論」としている。
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■サイン盗みとは?
そもそもサイン盗みとはどういう行為を指すのか。多くの場合は、ランナーが2塁に出た時のことをいう。
ピッチャーが投げるボールを決め、サインを出すのはキャッチャーの役割だ。
ベンチやピッチャー自身がサインを出すこともあるが、基本はキャッチャーが股下でサインを出す。指で数字を作るのが一般的で、指示するのは球種やコース、牽制のタイミングなどだ。
2塁ランナーは投手の斜め後ろにいるため、角度的にこのサインを覗き見ることができる。相手のサインを盗み見たうえで、「カーブならヘルメットを触る」などあらかじめ決めておいたブロックサインで打者に伝達する。これがサイン盗みだ。
星稜の林監督が指摘したのも、習志野が初めて2塁にランナーを置いた4回の場面だった。
■やってはいけない?
このサイン盗み、高校野球では「大会規則」で明確に禁止されている。「大会規則9」 では『走者やベースコーチなどが、捕手のサインを見て打者にコースや球種を伝える行為を禁止する』とされている。
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また、仮に発覚した場合は『審判委員はタイムをかけ、当該選手と攻撃側ベンチに注意をし、止めさせる』と規定されている。
過去には2013年夏の甲子園で花巻東(岩手)のランナーがキャッチャーの構える位置を合図したとして、球審に注意された(チーム側は否定)。