育休の取りやすさや副業の可否など、就職活動で重視する要素が多様化している現代、就職活動中の子どもの保護者は、子どもの就職についてどのような思いを持っているのだろうか。
マイナビは「2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査」を実施。大学4年・大学院2年以上で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中の子どもを持つ保護者1000人を対象に、WEBアンケートを行い結果を集計した。
保護者の半数が「共働き・男性の育休」に賛成
まず調査によって明らかになったのは、回答者全体の49.6%が「男性も育休を取得し、子育てするほうが良いと思う」と考えている現状だ。
子どもの将来の子育てに対する考えについても、「結婚後は、夫婦で共働きをするほうが良いと思う」と答えた割合は49.2%(「非常にあてはまる」と「まああてはまる」の合計)と約半数が共働きに賛成の姿勢を示している。
しかし、男性の育休取得については、保護者と子の性別によって10%以上の差が開く結果となった。たとえば「父親・息子」の場合は、男性が育休を取得して子育てするほうがいいという考えに「非常にあてはまる」と答えたのは9.6%だったのに対し、「母親と娘」の場合は23.6%だった。
子どもに「Z世代らしさを感じる点」
調査では、Z世代という角度からも就職活動に光を当てた。アンケートでは、保護者が子どもに「Z世代らしさ」を感じる点を聞いた。
回答で最も多かったのは「わからないことは誰かに聞かずにすぐにスマートフォンで調べること」(40.0%)となった。また、就職観に関するものでは「1つの会社に勤めあげるというイメージが少ない」「大手企業にこだわらない」「競争心がない」「出世欲がない」「長時間労働や休日出勤への抵抗感が強い」などの回答が多く挙げられた。
2024年卒の学生を対象にした調査では、内定先に関する意思決定の際に助言や意見を聞いた相手として最も多かったのが「父親・母親」(61.9%)であったことを加味すると、学生の意思決定における保護者の影響は大きいことがうかがえる。
終身雇用や長時間労働、結婚や出産に伴う退職を前提とした時代に就職活動を行っていた保護者と、その風潮が薄まりつつある現代社会で就職活動をする学生。互いに異なる社会風土の中での就活を経験している・経験してきたというギャップを、念頭に置くことが大切だと考えられる。