人気マンガ誌の「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年マガジン」が、無料で連載作品を読めるウェブサイトを共同で立ち上げることがわかった。集英社と講談社が4月8日、発表した。
創刊以降ライバル関係にあった両誌が、共同でプロジェクトを実施するのは初めて。
サイト名は「少年ジャンマガ学園」(https://jm-gakuen.jp/pc/)。4月8日から6月10日まで、期間限定で公開する。サイトでは、「ONE PIECE」や「進撃の巨人」など、約150の連載作品を1話から無料で読むことができる。読める話数は作品ごとに異なるという。
若い世代の読者を開拓することが目的で、利用者は22歳以下が対象。初めてアクセスしたユーザーは「生まれた年」を入力する必要があるという。
プロジェクトを担当する「週刊少年ジャンプ」編集部の細野修平さんは、ネットやスマートフォンの登場でゲームやSNS、動画メディアなどといったプラットフォームが普及する中、「メイン読者である若者の皆様に、マンガの魅力をどう伝えるか試行錯誤してきました」と企画背景を説明。
両誌の間で定期的に情報交換を行う中で、今回のプロジェクトの実施が決まったという。
近年は海賊版サイトなどが横行し、出版社を横断する定額制(サブスクリプション)マンガサービスの必要性を唱える声もあるが、サブスクリプション型のサービスについては「現状予定していることはない」と話した。
「少年ジャンプ」編集長の中野博之さんは、「お互いライバルではあるんですが、一緒にマンガを盛り上げていく仲間だと思っていた。これまでは”思い”だけでの仲間だったが、このような形で具体的にタッグを組めたことは意義があるし、嬉しく思っています」と喜びを語った。
「少年マガジン」編集長の栗田宏俊さんは、「若者の読者に向けたこのようなサービスが誕生したことは画期的なこと。ぜひ皆さんで楽しんでほしいと思います」と意気込んだ。