アメリカ大統領選の余波で、ひよこ大量死か。一体どういうこと?

郵便投票を巡るバトルの裏側で、ひよこたちが犠牲になっています
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Azahar Adnan / EyeEm via Getty Images

アメリカ東部ニューイングランド地方で、農業経営者たちから「注文したひよこが死んだ状態で届けられている」という報告が相次いでいる。

地元の議員によると、メイン州ではここ数週の間に、郵便サービスを利用して配達されたひよこのうち少なくとも4800羽が死んでいた

背景にあるのが、大統領選の郵便投票を巡るバトルを発端とした郵便サービスの削減だ。

こんなことは今までなかった

メイン州で農場を経営するハーデン・グーチ氏は、過去2回の配達で合計500羽の死んだひよこが届いたとブルームバーグに語っている。

これまで6年間農場を経営してきて、一度の配達で25羽以上が死んでいたことはなかったという。「愕然としました。私にとってこれは大きな損失です」とグーチ氏は同メディアにコメントする。

養鶏業者のポーリーン・アンダーソン氏も、「ペンシルベニア州の孵化場から送られた800羽のひよこが到着時には死んでいた」と地元の新聞ポートランド・プレス・ヘラルドに語った。アンダーソン氏によると、他にも多くのひよこが、メイン州やニューハンプシャー州の農場への郵送中に死んでいるという。

メイン州民主党下院議員シェリー・ピングリー氏のオフィスには、同州で養鶏をする農場経営者から多くの苦情が届いており、同議員はルイス・デジョイ郵政長官とソニー・パーデュー農務長官に、一刻も早く対策をとるよう書簡で求めると述べている。

「想像してみてください。裏庭でひよこを飼うのを楽しみに待っていた子どもたちが、届いたひよこが死んでいるのを郵便局で発見した時のことを」とピングリー議員は、ポートランド・プレス・ヘラルドに語っている。

Since 1918, @USPS has handled chicks safely and humanely.

Only after Postmaster DeJoy started slowing down mail delivery have small farmers suffered economic and emotional losses of their chicks.

DeJoy needs to answer for this when he testifies before Congress tomorrow. pic.twitter.com/MMjSLD6FZK

— Chellie Pingree (@chelliepingree) August 20, 2020

ピングリー議員のツイート「1918年から、USPS(郵政公社)は、ひよこを安全に人道的に運んできました。ところがルイス・デジョイ郵政長官が配達を減らしてから、小規模経営の農場がひよこを失い、経済的にも精神的にも打撃を受けています」

ひよこの孵化場は長年、郵便でひよこを送付してきたが、これまでひよこが死ぬことはほとんどなかった。

郵便投票を巡るバトル

新型コロナウイルスの影響で多くの人が外出を控えるアメリカでは、11月の大統領選挙で郵便投票が大幅に増えると考えられている。

しかしトランプ大統領は、郵便投票は民主党候補のジョー・バイデン氏に有利だと主張。大統領が5月に任命したデジョイ郵政長官は、就任後に郵便の回数やポストの数を減らすなどして、郵便サービスを削減した。

郵便サービスの削減を、民主党の議員らは「トランプ大統領とデジョイ長官が郵便サービスを不安定にして意図的に選挙を妨害しようとしている」と非難している。

ピングリー議員もひよこの大量死を「郵便配達を減らした時に何が起きるかを考えなかった彼らが作った混乱」だと批判する。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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