安倍晋三首相は3月28日午後6時に官邸で記者会見を開き、「制御できない(新型コロナウイルスの)感染の連鎖が生じれば、どこかで爆発期な感染拡大が起きかねない」として、不要不急の外出自粛を呼びかけた。
また、経済対策として、中小企業に対する無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにし、中小企業や個人に対し新たな給付金制度などを行うという。現金給付も視野に入れているとした。
「長期戦を覚悟する必要がある」
安倍首相は、「一度爆発的な感染が拡大すると、わずか2週間で感染者数が30倍に跳ね上がります。そうなれば、感染のスピードを極力抑えながらピークを後ろ倒ししていくという戦略が一気に崩れることになります」と警告。
「まだ欧米と比べれば総数は少ないが、私たちが毎日見ている感染者数の数は、潜伏期間などを踏まえれば、2週間ほど前の新規感染の状況を捉えたものにすぎません。つまり、今まさに爆発的な感染が起きていたとしてもすぐに察知できません」とし、自治体の呼びかけに応じるように呼びかけた。
また、「この戦いは、長期戦を覚悟していく必要があります」として、緊急経済対策を指示するとも宣言。追加の経済対策を盛り込んだ新年度補正予算を編成し、「できるだけ早期に国会に提出する」と述べた。
経済政策として、中小企業に対する無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにしたり 、中小企業や個人に向けた新たな給付金制度を設けたりするという。
Q. 現金給付の規模や対象は?
質疑応答で現金給付の対象について聞かれると、「収入が減っている人はもちろんですが、中小規模事業主や個人事業主も考えていきたい」と説明。
「国民みんなに給付を行うかどうかですが、リーマンショックの時も行いましたが、あの時の経験を鑑みれば、効果等を考えれば、ターゲットをある程度おいて思い切った給付を行うべきだろうと考えております」とした。
Q. 学校再開は?
臨時休校中の学校の再開時期については、週明けの専門家会議で協議を行うという。
▼安倍晋三首相の会見
東京都では感染確認者数が最多に
28日、東京都では新型コロナウイルス感染症の陽性者が新たに60人以上確認され、1日に確認された感染者数はこれまでで最多となった。東京都は「感染爆発(オーバーシュート)の重大局面にある」として、週末の外出自粛を呼びかけている。