保護施設でストレスと不安を感じていた1匹の犬にとって、心穏やかに生きる助けとなったのはお姫様をテーマにした可愛らしいテントだった。
2歳のピットブル・スタースキーは、2021年にアメリカ・ミシガン州にある保護施設「アイ・ハート・ドッグス・レスキュー・アンド・アニマル・ヘイブン」にやってきた。
しかし、施設に来たばかりの頃、スタースキーは強いストレスを感じ、怯えていたという。
ボランティアのメーガン・シンクさんは「自分のケージでは端にいて、身構え、不安を感じていた」と説明する。
「目を開いて、耳をずっと前に向け、眉間にしわをよせていました。吠えて、歩き回り、おもちゃを引き裂くこともありました」
スタースキーを心配していたシンクさんは最近、隠れる場所を作ることで、保護された動物たちのストレスを緩和できるケースがあると知った。身を隠すことで、周囲の状況を遮断でき、安全を感じられるという。
犬小屋が高価だったため、シンクさんは子ども用のポップアップテントをスタースキーに与えることにした。
初めは恐竜をテーマにしたテントを購入しようとしたものの、最終的にそれより少し安いユニコーンのテントを選んだ。
値段だけではなく、スタースキーに対して周囲が抱く「悪い子」というイメージを、ユニコーンが和らげるかもしれない、と感じたのも選んだ理由だった。
しかし、スタースキーがユニコーンテントの支柱を噛んでしまい、シンクさんは新たなテントを購入しなければならなくなった。
ユニコーンのテントが売り切れていたため、シンクさんはお姫様をテーマにしたテントを選んだ。
テントが心穏やかに生きる助けに
テントを与えられて、スタースキーの行動や性格がすぐに変わったわけではない。
しかし、シンクさんによると、テントはスタースキーが日々穏やかに過ごす上で大きな助けとなったという。
「テントは、スタースキーがストレスや不安を感じた時に隠れる場所になりました」
「歩き回ったり、吠えたりする代わりに、近くにあるおもちゃをテントの中に持っていって、寝そべるようになりました」
スタースキーはテントの他にも認定トレーナーの訓練を受け、すばらしい効果があったという。
スタースキーは訓練を終えた今でも、見知らぬ人や新しい環境に慣れず、施設の縁組募集リストには載っていない。
しかしシンクさんは、スタースキーを助け、うまく一緒に生活できる人がいれば託したいと考えている(シンクさんは、パートナーと複数の犬を飼っているため、スタースキーを家族に迎えることができない)。
お姫様のテントでメディアやSNSで注目を集めたスタースキーには、多くの人たちからのサポートや応援の声が寄せられた。
シンクさんは「私と同じくらい、他の人たちも、スタースキーを大切に思っていると感じてとても嬉しい」「多くの人たちが彼を応援してくれているというのは、とても重要なのです」と説明する。
アイ・ハート・ドッグスは、テントの効果がわかったため、他の動物たちのためにも、Facebookなどで、新品・中古の子ども用テントを募集している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。