「研究者たちは衝撃を受けました」――。オーストラリアのジェームズ・クック大学が、これまで知られていなかったイタチザメの捕食行動について発表した。
同大学が6月6日に発表したプレスリリースによると、海洋生物学者のニコラス・ルビッツ氏と研究チームが2022年5月、クイーンズランド州オルフェウス島沖でイタチザメがハリモグラを丸ごと吐き出す場面に遭遇した。
研究者たちは、イタチザメがハリモグラを吐き出す様子が観察されたのは世界で初めてだと考えている。
ハリモグラは、オーストラリアとニューギニアに生息する卵を産む哺乳類で、背中一面がトゲに覆われている。
ハリモグラを吐き出したイタチザメは、研究者たちが追跡調査用のタグを付けるために捕獲した。
ルビッツ氏は最初は何が起きているかわからず、衝撃を受けたとプレスリリースで説明している。
「吐き出したものを見て『一体これはなんだ?』と言いました」
ルビッツ氏何とか1枚だけ撮影できたという写真には、サメと水中で吐き出されたハリモグラの輪郭が写っている。
ハリモグラは死んでいたものの、トゲや足が残った完全な状態だったという。そのため、研究者らはサメに飲み込まれたばかりだったのではないかと考えている。
ハリモグラは陸生だが、専門家によると泳ぐこともできる。ハリモグラ専門家のタリア・ペリー氏は「かなり泳ぎ上手だ」と2019年にオーストラリア放送協会の取材に述べている。
【動画🎥】水中をすいすいと泳ぐハリモグラ
ルビッツ氏は、「ハリモグラは餌か繁殖相手を探すために(浅瀬を通って)島と島の間を泳いでいる最中に、運悪く大きなイタチザメにのみ込まれたのではないか」とガーディアンに語っている。
イタチザメは何でも捕食することで知られており、ルビッツ氏は「なぜか岩を食べている動画を見たことがある」とプレスリリースで述べている。
イタチザメは研究チームにつかまったストレスでハリモグラを吐き出した可能性があるものの、ジェームズ・クック大学はサメは無傷で、追跡タグ装着後に海に戻されたとしている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
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