北の大地の果て。世界遺産の大自然が広がる知床半島で、テレワークしてみませんか?
そんな呼びかけをしている北海道斜里町で3月末に5日間、実際にテレワークを体験してきた。旧法務局を改装したサテライトオフィスに宿泊し、時には流氷が見えるカフェで普段と同じようにニュース記事を執筆した。空いてる時間を利用して、流氷が沿岸部に残る半島を散策した。オジロワシやエゾシカに出会うことができた。
斜里町が2015年度から実施している「ふるさとテレワーク合宿」の事業の一環で、GoogleやYahoo!などのIT企業を初めとして、すでに数十社が利用しているという。なぜ、斜里町はテレワークに力を入れるのか。斜里町の馬場隆町長に取材した。
---- なぜテレワーク事業を始めたのですか?
「総務省がふるさとテレワーク推進のための地域実証事業を始めたことを、知ったのがきっかけです。企業誘致というのは都合が悪くなるとすぐいなくなっちゃう。ましてや、知床ではなかなか難しい。そこで企業誘致ではなく、人材誘致ということでテレワークで人が集まる町にしたいと、2期目となる2015年の町長選の公約に掲げて当選しました。それで実際に開始したということですね」
---- 働く人が、知床でテレワークすることのメリットとは何でしょう?
「斜里という日本の列島の端っこで仕事をしていると、会社から『戻ってこい』と言われても、すぐには戻れない。日常の職場から離れて、いろいろな物をそぎ落として、白紙から発想することができる。そういう意味で、日常から断捨離をすべきだと思っています。つまり、斜里で断捨離です(笑)」
---- 逆に斜里町にとって、テレワークを誘致することのメリットとは?
「都会から来た人と、地元の人が交流できるというのが大きいですね。地元の有志で作った知床スロウワークスというチームが、テレワークで来た人をサポートします。知床の豊かな自然が私たちの町の売りですが、それだけじゃなくて、人々の温かさがキモなんです。人との触れあいが記憶に残ることで、間違いなく次に繋がる。『斜里でもできるぞ』『斜里が楽しい』だけじゃなくて、そこに地元の人が絡むことが重要だと思っています」
知床でテレワークしてアタラシイ時間を過ごすことで、アタラシイ自分と出会えました。
「アタラシイ時間」を過ごすことは、「アタラシイ自分」と出会えるチャンス。
ハフポスト日本版は5月に5周年を迎えました。この5年間で、日本では「働きかた」や「ライフスタイル」の改革が進みました。
人生を豊かにするため、仕事やそのほかの時間をどう使っていくかーー。ハフポスト日本版は「アタラシイ時間」というシリーズでみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「#アタラシイ時間」でみなさんのアイデアも聞かせてください。