近年、世界中で脱プラスチックの動きが加速している。
使い捨てプラスチックを禁止する国や都市も増えており、様々な対策を始めた企業も多い。
そんな中、サンフランシスコ空港は8月、新たな取り組みをスタートした。使い捨てのペットボトル入りの水の販売を禁止したのだ。これは、カフェや小売店だけでなく、空港内のレストランやラウンジ、自動販売機も対象になっている。(機内は対象外)
空港は、フライトを待つ人、乗り継ぎを待つ人...そう、待つことが多い場所だ。
セキュリティチェックや出入国管理もあるし、一回入ったらそう簡単に行き来できない為、中での飲食サービスはとても重要だ。
そんな中、軽くて便利なペットボトルの水が禁止とは... 代わりに何があるのだろう?
真実を探るため、私はサンフランシスコ空港を調査してきた。
まず、1つ目のカフェをチェック。
確かに、水のペットボトルはない。代わりに、おしゃれレストランなどで出てくるような、瓶入りの水が売られている。
さらに進んで次のカフェへ。
再びチェックするも、やはりペットボトルの水はない。代わりに、見慣れないアルミボトルの飲み物が幅を利かしていたのだが、これはもしかして...
そう、なんと、アルミボトル入りの水だ。
実際容器はとても丈夫で、握っても潰れない。何度でも使えそうな強度だ。
しかし、値段は600mlで約4ドル(約430円)と高い...。これはマイボトルにして元をとるしかない。
ところで、先ほどの写真をよ〜く見て、お気付きの方もいるかもしれない。
「ちょっと!ペットボトル売ってるやん!」と。
そう。水は瓶やアルミボトルで売られている横で、ソーダなどは堂々とペットボトルで販売されているのだ。
実は、今回の禁止の対象は、浄水、ミネラル水、炭酸水、電解質で強化された水。それ以外の飲み物、例えばソーダやジュースなどは対象外であり、普通にペットボトルで販売されている。また、水でも、1リットル以上のものは禁止対象から除外されている。
その為、その後通りかかった売店では、大きいサイズの水は普通にペットボトルで売っていた。
なんだか複雑だが、環境と利便性の間をとった現時点での答えだったのだろう。
一方、マイボトルを持参した利用者にとっては、とても快適な空間となっている。
空港内には水の飲み場やセンサーによって触らず自動で冷たい水が給水できるステーションが約100カ所あるという。至る所にあるので、今回マイボトルを持参していた私にとっては、とても便利だった。
ちなみに、同じような給水所は成田空港にも設置してあった。数はそこまで多くなかった気がするが、温水と冷水を選べる仕組みになっていた。
サンフランシスコ空港は、2021年までに世界初の「ゼロ・ウェイスト空港」になることを目指しており、この取り組みはその一歩にすぎない。目標達成のため、今後も様々なプランが計画されているようだ。
サンフランシスコは「エコフレンドリー」との呼び名が高い街。2019年7月からは、お店が使い捨てのフォークやスプーンなどを自動的に客に渡すのを禁止し、要求された時に限り提供できるようにした。また、ストローも同様で、要求され提供する際は、紙製や天然素材、もしくはガラス製など繰り返し使える物に限られる。(障がいなどの理由でプラスチックストローが必要な場合などを除く)
今回、数日サンフランシスコやロサンゼルスに滞在したが、空港だけでなく、様々な方法で給水することができた。。ホテルやカフェにはフルーツなどが入った見た目もおしゃれな「スパ・ウォーター」が置いてあったり、モールのフードコートには、ウォーターサーバーが設置されていた。
そんな環境の中、「ゼロ・ウェイスト」はもちろんだが、単純に「飲料水にお金払うの、もったいなくない?」と思う人も多いのではないだろうか。
最後に、今回の経験や感想を込めて、一句詠ませて頂きたい。(正確には川柳だが)
「マイボトル、持って損することはナシ」
地球だけでなく、お財布にも優しいのだから。