近年、セックスレスに陥るカップルが増加傾向にあり、前年は47パーセント以上のカップルがセックスレスになっているというデータが日本家族計画協会から調査発表されている現代。どんなことが要因としてあるのか、婚活セラピストとしてカップルや夫婦間にまつわる性問題など幅広い悩み相談を解決してきた湯田佐恵子氏に話を伺いました。
日本家族計画協会が発表したデータでは、20代の人のセックスレスが特に深刻とのこと。本来ならばセックスに興味を持つ世代というイメージですが、いったいどのような原因があるのでしょうか。
■バーチャルに逃げ場を作る男性たち
婚活セラピストの湯田佐恵子氏は、セックスレスの原因をこのように語っていました。
「男性、特に若い方は、近年リアルのセックスから離れている傾向にあります。原因としては、インターネットなどで簡単に性欲のはけ口が見つかることで、リスクがないバーチャルなものに逃げているのです。またその逆に、失敗するリスクがあるリアルのセックスは怖いと感じているようです。バーチャルという場が増えたことで、『リアルで失敗して女性になんて言われるかわからない=女性が怖い』となってしまっていて自信を持ちにくいのです」
自信というものは経験を通して身につけるものですが、最近の若い男性は経験をする前に、行動をためらってしまうという傾向にあるようです。また、熟年の夫婦間でもバーチャルによるセックスレス問題はあると湯田氏は言います。
「自信がなくなっていく男性とは逆に、最近の女性は積極的になってきていて、ある意味"男性化"が進んでいます。私のところに相談にいらっしゃる方の中でもセックスに意欲的で、行為をリードしようとする姿勢の方が増えてきたと感じます」
■円満の秘訣は、「自分は大切にされる」という本能を信じること
「女性がセックスに積極的になっているのは、自分の気持ちを隠してしまっているより断然良いことです。ただ、私生活全てをリードしてやってあげてしまうことはオススメしません。なぜなら、生物学的に女性は甘える生き物で、それによって男性が応じて奮い立つものだからです。ただ、男性のプライドを守るために、立てる必要はありません。すべてのことをあなたひとりで背負うのではなく、パートナーに適した行動や作業は任せて頼ることが大切なのです」
男性が自信を取り戻す秘訣は、女性が甘えること、頼ってあげることにあると湯田氏は言います。
「極端に言えば、男性の面倒をみてはいけません。面倒を見ることが当たり前になってしまうと男性はどんどん横柄になってだらけていきます。そして、あなたのことをパートナーではなくお母さんとして見てしまうのです。生物学的にも、男性は追いかける恋愛を好んで、追いかけられると萎えてしまうというデータがあります。大事なことは、自分は大切にされるという本能を信じることです」
ここ数年の間に、さまざまなパートナーシップの形が認知されはじめました。男性が女性に頼られるべき存在......というケースは前時代的なものになりました。
大切なのは、バランス感覚であり、ふたりの間に適材適所を設けること。
相手のことが好きだと、何でも尽くしたくなってしまう人もいます。しかし、いい関係を作るためには、「自分がしてあげなきゃ」という感覚や行動はいったん置いておき、お互いがどういった面で支え合うのか探り、明確にしておくことが必要なのです。
積極的になる部分も大事にしながら、ふたりっきりのときは思う存分甘えることが円満の秘訣だと湯田氏は語りました。
湯田佐恵子氏プロフィール
婚活セラピスト/心理カウンセラー
20代から3つの結婚相談所を経験。心理学、性格学、カウンセリングやセラピーを学ぶ。
そして自らの体験をもとに「婚活コンサルティング&結婚相談所リアルラブ」を開設。深層部に食い込むカウンセリングは、着実に会員を成婚に導いている。男女関係に関するお悩みや、夫婦関係、子育て、セックスレスのお悩みなど、16年間で延べ11000件のカウンセリング実績を持つ。
(2018年10月1日DRESS「セックスから逃げる男性。ふたりが向き合うための秘訣とは?」より転載)