作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが11月9日に亡くなった。ハフポスト日本版では2017年に、当時95歳だった瀬戸内さんにインタビューしていた。
瀬戸内さんは1957年に「女子大生・曲愛玲」で文芸雑誌の賞を受賞して文壇デビュー。1973年、51歳のときに岩手県の中尊寺で得度し「寂聴」を名乗った。
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ベストセラー作家として活躍する中で、人生の酸いも甘いも噛み分けた瀬戸内さん。その印象的な言葉をインタビューから引こう。
■人を好きになるのは「雷が落ちるようなもの」
「人を好きになるって、雷が落ちるようなもの。当たったらしょうがないのよ。不倫したいと思って付き合うんじゃなくて、好きになっちゃったから付き合うんだもの。でも、人の幸せを奪っての幸せはダメよ」
■人生は「大体なんとかなる」
「(人生は)大体なんとかなるものよ。仏教と一緒。全て、物事は変化するの。だから今はつらいつらいって思っても、それがずっと続くことはない。変わるの。今、嬉しくてしょうがなくても、それもまた変わるの。つらかったらうれしくなる。だから大丈夫、なんとかなる」
■「人間は自由であるべき」
「人間は生きている以上、自由であるべきよね。『自由でありたい』がために、生きてるんだから。親の介護とか、夫や子どもの面倒を見て一生を終わることなんてないのよ」
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■自由を求めて「逃げることも勇気」
「戦争中は、もうどうしようもなかった。「戦争に行きたくない」なんて言ったら「国賊だ」って言って、やられるしね。そりゃ悲惨なもんでしたよ」
「逃げることも勇気ですよ。権力者の都合で変わる道徳にとらわれないでね。逃げると言っても、自由を求めて逃げるんだから、名目はちゃんと立ってるの。どうせ生きるなら、自分のしたいことをして、自由に生きてね」