問題ある発言や行動をとった人物や企業などを批判するため、商品のボイコットや番組の出演を取りやめる「キャンセルカルチャー」。
近年注目が集まるこの動きについて、ドナルド・グローヴァー氏やクリス・ロック氏、ビリー・クリスタル氏など、「キャンセルカルチャーでエンターテイメントがつまらなくなる」と批判するコメディアンもいる。
しかし、俳優やコメディアン、映画製作者として活躍するセス・ローゲン氏は5月26日、イギリスの番組「グッド・モーニング・ブリテン」に出演し、不適切なジョークに対してコメディアンには責任があると述べた。
作り手としてこれまで様々な映画に携わってきたローゲン氏。番組で、過去の映画の中には今では不適切と受け止められているジョークもあるがどう思うかを聞かれ、次のように答えた。
「ジョークの中には、今では受け入れられなくなったものもあると思います。だけど、私はそれがコメディというものだと思います。もしその映画が今でも見られ楽しまれているのであれば、それには理由があると思いますし、映画そのものは問題ないと思います。ただジョークは必ずしも、永遠に面白いと思ってもらえるものではないと思います」
さらに、不適切なジョークとキャンセルカルチャーについて聞かれ「なぜ不満を持つコメディアンがいるのかわからない」と答えた。
「もし、今ではひどい内容だと受け止められるようなジョークを言ったのであれば、その事実を受け入れればいい。ひどい内容ではないと思うなら、そう伝えればいいと思います」
ローゲン氏はまた「アーティストに批判はつきものであり、それが嫌ならコメディアンであることをやめたほうがいい」とも述べている。
マイノリティの人たちへの中傷や人種差別的なコメントなど、不適切な発言はSNSに投稿されることもある。
ローゲン氏はそういった投稿に対して、責任を取るべきだという考えも示した。
「私はTwitterに、誰かに対する見るに耐えないひどいジョークを投稿したことはありません。そんなツイートを見たら、誰の発言かと疑問に思うでしょう。ひどいことを言うのは良くないことだ、だからもし何かひどいことを言ったのであれば、それに対して何らかの方法や形で責任を取らなければいけないと思います。私はそれが“キャンセルカルチャー”だとは思わない。それはひどいことを言ったということなんです」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。