サッカー・ワールドカップのロシア大会で日本時間6月24日深夜、日本はセネガルと対決する。
馴染みが少ない人も多いと思うが、調べてみると意外なところで日本との絆があった。
セネガルはアフリカ西岸の国だ。日本からは約1万4000キロ離れている。外務省のデータによると面積は19万平方キロと日本の半分。人口は1541万人(2016年現在)で、東京都と千葉県の合計と同じくらいだ。
かつてはフランスの植民地だったが、1960年に独立。その関係で、公用語はフランス語だ。宗教はイスラム教が95%。首都のダカールは、かつてパリ・ダカール・ラリーの終着点として知られていた。
■大臣が来日、たこ焼きを食べてPR
日本とセネガルの意外な接点、それはタコだ。
産経ニュースによると、日本で流通しているタコは、半分以上を輸入に頼っている。輸入量は2016年で4万7000トン。このうち、約7割をアフリカ北西部のモーリタニアとモロッコが占めている。
ところが、この2カ国からの輸入量は2016年の3万2000トンから、2017年に2万9000トンへ減少。中でもモーリタニア産は大きく減った。
中東でテロが相次いだことで、トルコ、エジプトなどへの旅行が敬遠される一方、スペイン観光の人気が高まった。パエリアやオリーブ煮などのスペイン料理に欠かせないタコの需要が旺盛になっているという。
その結果、アフリカ産冷凍タコの輸入価格が過去最高値(円換算)を更新。「たこ焼き」の値上がりも懸念されるなど大きな問題になっている。
そこで注目されているのが、セネガルだ。
セネガルはモーリタニアに隣接しており、漁業が盛んだ。日本の国際協力機構(JICA)は、2009年から約8年間に渡って、タコ漁を含め水産技術や物流まで支援してきた。
2015年8月にはウマル・ゲイ漁業・海洋経済大臣が来日。セネガル産のタコを「セネタコ」と名付け、自らたこ焼きを食べて自らPRした。
産経ニュースによると2017年の冷凍タコの輸入量で、セネガルは5位に付けた。今のところモーリタニアとモロッコには大きく水をあけられているが、やがては、たこ焼きの救世主になるかもしれない。
注目の日本対セネガル戦は6月25日午前0時(日本時間)にキックオフ。ビールとたこ焼きで観戦したいところだ。