俳優で歌手のセレーナ・ゴメス氏が、映画『In the shadow of the Mountain』で、ペルー人登山家のシルヴィア・ヴァスケス=ラヴァード氏を演じることが明らかになった。
映画は同名の回顧録の基づいており、監督はエルジン・ジェームス氏。2022年の公開予定だ。
ヴァスケス=ラヴァード氏、どんな人?
ヴァスケス=ラヴァード氏は、1974年にペルーの首都リマで生まれた。
ヴァスケス=ラヴァード氏は子どもの時に家族の友人から性的虐待を受け、その傷を癒すために登山を始めた。
「虐待を受けたことから高いところを目指すようになりました。最初に最高峰の登頂を果たした時に『安全だ、守られている』と感じられた」とEFE通信のインタビューで語っている。
また、七大陸最高峰を制覇した時には、山頂から「山は人を差別しない、自然は人を差別しない。愛は愛。平等は平等。私たちはみな平等に作られている」というメッセージを伝えた。
2014年には、性的虐待や暴力を経験した若い女性たちを冒険の旅を通して支える団体「カレイジャス・ガールズ(勇敢な少女たち)」を設立。自分と同じように心に傷を負った女性たちをサポートしている。
誰が演じるべきか
LGBTQの登場人物がいる映画を巡っては、実際にそのセクシュアリティの俳優が演じた方が良いという議論が近年起きている。
背景にあるのは「LGBTQ当事者の俳優に、同等な機会が与えるべきだ」という考えで、この声を受けてスカーレット・ヨハンソン氏やハル・ベリー氏がトランスジェンダーの役を辞退している。
ゴメス氏は、自身のセクシュアリティを公表していない。しかしゴメス氏がヴァスケス=ラヴァード氏を演じると報じられた後、SNSには「同性愛者を公表して、なかなか仕事が回ってこない俳優はたくさんいるのに、なぜゴメス氏がキャスティングされるのか」という声も投稿された。
一方で、ヴァスケス=ラヴァード氏自身は、ゴメス氏が演じることを歓迎しているようだ。
同氏はInstagramで「勇気があり、才能に溢れ、素晴らしいセレーナ・ゴメスが、主役とプロデューサーをしてくれることを光栄に思い、感動しています」とコメントしている。
セクシュアリティは公表していないが、ゴメス氏は過去に、ニック・ジョナス氏やジャスティン・ビーバー氏らと交際している。
2015年に、バイセクシュアルを公表しているカーラ・デルヴィーニュ氏との交際が報じられた時、ゴメス氏は次のように語っている。
「誰でも、自分の自分のセクシュアリティを疑問に思うことはあるはずです。どんな人であろうと。私ももちろんそうです。自分がどんな人間なのかを心の奥で考え、自分に疑問を投げかけ、自分自身に挑戦するのはとても良いことで、重要なことだと思っています」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。