「ユニクロのシームレスダウンはクリーニング不可能」という投稿がネット上で話題になっているが、ハフポスト日本版が調査したところ、実際にはクリーニング可能であることが分かった。
11月中旬にクリーニング業界の関係者と称する人物が、ユニクロのシームレスダウンについて「縫い目を接着剤で貼り合わせている。クリーニング業界では非常に問題になっている。購入するなら使い捨てだと思って欲しい。クリーニングはできない」という趣旨でTwitterに投稿した。これが、21日までに8000回以上もリツイートされるなど広く話題になった。
この話は本当なのか、ハフポスト日本版ではクリーニング業界とユニクロに真偽を確認した。
■クリーニング業界は?
クリーニング業界の見解を聞くために、東京都クリーニング生活衛生同業組合に取材した。
担当者によると、ユニクロに限らず、シームレスダウンをクリーニングする際には、客の承諾をとるよう店舗に連絡しているという。
シームレスダウンの圧着に多く使用されているポリウレタンは、経年劣化により、3年ほどで寿命を迎える。
そのため、商品の状態によってはクリーニングの際に剥がれてしまう可能性があることが理由とのこと。
ポリウレタンを使用した商品を受け付ける際に注意が必要なことは「業界の常識」と話した。
シームレスダウンにポリウレタンが使用されていると業界紙が取り上げたことをきっかけに、組合では対策を検討。
消費者に対して「シームレスダウンの注意点」をホームページで公開したり、店舗には、客の承諾をとることを推奨するチラシを配布したりと啓発活動を続けてきた。
担当者は、「製造されてから間もない製品であれば洗えないことはないが、経年劣化がどれほど進んでいるかわからないので承諾を得るよう店舗には伝えている」と語った。
■ユニクロ側は?
ユニクロの担当者に取材したところ、ポリウレタンの寿命は3年ほどであるという認識は組合と共通しており、シームレスダウンの商品ページにも「約3年で劣化(剥離・べたつき)します」という記述がある。
担当者によると、2015年の発売当初、「シームレスダウンのクリーニングを断られた」という苦情はあったという。
社内で対策を練り、2016年に技術的な改良を行った新しいモデルの販売を開始した上で、クリーニング業界の協力を得て、洗い方を検討したとのことだ。
その結果、洗濯物に対する化学的ダメージや機械力によるダメージを抑えた状態で、可能な限り水溶性汚れを除去する「ウェットクリーニング」であればクリーニングが可能であると実証されたという。
ウェットクリーニングで対応するよう店舗に依頼してから、「クリーニングを断られる」という苦情は「確実に減っている」と話した。
ただし、ウェットクリーニングを商品の洗濯表示に追加することは、まだ間に合っていない。「今後、表示を入れる予定はある」とのことだ。