「次世代を担う若者を取り込むことが大事」ニューヨーク市の取り組みに東京が学べることは?

【ごみゼロ日記:13日目】

前回は、U20東京メイヤーズ・サミットでの小池都知事の発表内容について書いた。

今回は、そのサミットのため来日中の、アメリカ・ニューヨーク市国際問題担当コミッショナーであるペニー・アベイワルダナ氏との話について書きたい。

ニューヨーク市は人口約840万人弱。東京は約1380万人と、人口は東京の方が多いが、ニューヨーク市はアメリカを代表する大都市。国連の本部があることもあり、SDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組んでいる。

約束の時間にインタビュールームに行くと、緑のドレスを着たアベイワルダナ氏が出迎えてくれた。

アメリカ・ニューヨーク市、国際部SDGs担当コミッショナーのアベイワルダナ氏。ポーズも取ってくれた。
アメリカ・ニューヨーク市、国際部SDGs担当コミッショナーのアベイワルダナ氏。ポーズも取ってくれた。

私は「ごみゼロ日記」について簡単に説明をし、環境問題を含むSDGsに関するニューヨーク市の取り組みについて話を聞いた。

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【アベイワルダナ氏】

私たちニューヨーク市は、野心的な目標を持って積極的にSDGsに取り組んでいます。たくさんの取り組みをしていますが、その一部を紹介します。

アメリカは国としてはパリ協定を脱退したが...

アメリカはトランプ政権になってから、パリ協定を脱退しました。ニューヨーク市はその24時間以内に、アメリカ国内で初めて市として直接パリ協定の目標達成に取り組む事を表明しました。現在それは国内で400以上の市に増えています。

市の公立高校生全員にマイボトルを提供

現在ニューヨーク市では、市民全体に対してのプラスチック禁止令はありません。しかし、ニューヨーク市の政府機関では、2019年中に使い捨てプラスチックを禁止します。職員だけでも約50万人いるので、かなりの量です。

また、ステンレスボトルの会社と提携し、ニューヨーク市の公立高校の生徒全員に無料でマイボトルをプレゼントしました。このマイボトルをしっかり使うことによって、1年で5400万本のプラスチックボトルが削減されると言われています。

若者が先頭に立って取り組む

私たちはジュニア・アンバサダー・プログラムというものを実施しています。これは、次世代を担う若者にSDGsに親しんでもらい、周りに広めてもらうという試みです。彼らに、SDGsの多くの問題の中から、自分のクラスで1番改善が必要だと思われる目標を選んでもらい、達成に向けて実践してもらいます。私たちはSDGsについての知識をサポートし、国連と生徒らの橋渡しをします。若い世代を取り込んでいくことは非常に大事なのです。

オーストラリアの国連大使がニューヨーク市の公立中学校でレクチャー。これも国連本部のあるニューヨークならでは。
オーストラリアの国連大使がニューヨーク市の公立中学校でレクチャー。これも国連本部のあるニューヨークならでは。


ベジタリアン給食を導入

ニューヨーク市の公立学校で、毎週月曜日にベジタリアン給食を導入することを決めました。畜産は、飼料、輸送、排出物などで大きな環境的負荷がかかります。美味しいベジタリアン料理を食べ、環境負荷を減らす事ができるこの取り組みは、子供達も楽しんでいるようです。

女性との面接で過去の給料は聞かない

これは環境とは関係ありませんが、SDGsのジェンダー平等の取り組みの1つとして、ニューヨーク市機関の面接で、女性に過去の年収を聞くことを禁止しました。過去の収入を聞くことは、現在の給料に影響があるからです。(女性という理由で過去の給料が低く設定されていた場合)

現時点で、ニューヨーク市機関のリーダー職の52%は女性です。そしてその状況が、政策にも反映されています。

自発的なSDGs進捗報告

私たちニューヨーク市は、世界で初めてSDGsの進捗状況を自発的に国連に報告しました。

SDGsの目標に向けてどれ程達成に近づいているかを見返し報告するのです。今自分たちのがどこまで進んでいるのか、なんで近づいていないのか、改善するにはどうすれば良いか?これはとても重要なことです。

それを明確にし、透明性を持って公表し、話し合っていくことが大切です。
今では多くの国がこの動きに参加することを表明しています。

最後にもう1度... 若者が率先して関わっていく事、消費者の意識や行動にどうやって結びつけていくかを良く考える事が、SDGsを推進していく鍵です。

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人口の多いニューヨーク市は、その分影響力がある。その点では東京も同じ。他の都市の見本となる力があることを認識し、取り組んでいく事が大切だと話してくれた。

ちなみに、最近日本では代替ストローが話題になっているが、ニューヨークでの流行を聞くと、

「ニューヨークでももちろん、カフェなどに行くとストローが紙ストローである事が多くなってきました。でもやはり、Own Bottle(日本でいうマイボトル)を持ち歩く事が普通になってきましたね。プラスチックボトルを持っているのを見られたくない、という羞恥心や罪悪感を感じる、というような状況です。皆ではないですが、特に若者はかなり意識の高い人が多いです」

日本はまだ逆に、マイボトルを持っていると意識高い人、と思われがちだが...。これもきっと社会の状況や流行と共に変わっていくのだろうか。

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ハフポスト日本版で働く私は、5月30日(ごみゼロの日)に向けて、ゴミ削減生活を始めました。様々なチャレンジや失敗を皆さんと共有していきます。皆さんも是非この機会に「ごみゼロ」への旅をご一緒しませんか?

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2030年に、それを実現するための目標がSDGs(持続可能な開発目標)です。
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